2009年4月8日水曜日

お知らせ(パキスタンの治安情勢について)

 累次「お知らせ」にてお伝えしておりますが、現在、パキスタン国内各地において、自爆テロ事件及び襲撃事件等が頻発しており、依然として治安情勢は不安定で予測がつかない状況にあります。イスラマバード市内ではテロの脅威を踏まえ、市内各所において警備強化が図られていますが、報道等によれば、既にテロリストが同市内に侵入しているとの情報もあります。
 これまで、自爆テロ事件の多くは、政府機関・軍・警察等治安当局施設、宗教関連施設で発生していますが、現在、人が多く集まる大型マーケットがテロの対象となる可能性が高いとの情報もありますので、当面の間、マーケットにおける買物は日中に済ませ、また、短時間で効率的に行われることをお勧めします。特に、アユーブ・マーケット(F8)、ジンナー・マーケット、スーパー・マーケット、メロディー・マーケット、アッパラ・マーケット等、日没後、人の多く集まる大型マーケットには不用意に近づかないことをお勧めします。
また、自爆テロ事件の他、パキスタン国内各地において外国人を狙った誘拐・殺人事件も発生しており、今後引き続き十分な警戒が必要となっています。特に、バロチスタン州については、バローチ民族主義を標榜する過激武装組織が複数活動している他、アフガニスタンとの国境に近い州都クエッタにおいてはタリバーンの構成員が潜伏しているとの情報もあります。最近、当地外務省より、バロチスタン州の脅威度が高まっている旨の情報も接到していますので、同州への渡航または滞在を検討されている方は、十分な安全対策を講じていただくほか、渡航にあたっては予め当館までご一報いただけますようお願いいたします。

つきましては、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「お知らせ」でお伝えしている以下の諸点につき引き続き十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。
(イ)テロの標的となりやすい場所(政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設)にはできる限り近づかないでください。
(ロ)集会やデモが行われている場所には、決して近づかないでください。
(ハ)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。
 なお、ドライバーやコックなど身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動することをお勧めします。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く感知し、速やかにその場から離れることが可能となります(ドライバーについては、自家用車の盗難防止などの観点から、車を見張っていることも重要ですが、人命に対する危険を日頃から察知、通報させることがより重要です)。
(ニ)爆発事件等が発生した場合の一般的な対処要領は次のとおりです。
●自宅、職場や学校にて爆発音が聞こえた場合、爆発音も比較的遠く、ある程度安全と判断される場合には、最低でも1時間程度はその場にとどまってください。警察や軍が事件現場を封鎖する前に移動しては危険です。
●建物内にいた時に近くで爆発音や銃声が聞こえた時は、すぐに低い姿勢をとり、ガラス窓及びガラス扉の近辺を避けるとともに、周囲の状況を慎重に確認し、低い姿勢で移動されるよう心掛けてください。慌てて外に飛び出すのは危険です。
 ●外出中に近くで爆発音が聞こえた場合、すぐにできるだけ低い姿勢をとってください。大きなガラスや倒れやすいブロック塀の近くは危険ですので、あまり近づかないようにしてください。