2011年5月23日月曜日

カラチ総領事館からのお知らせ:カラチ市におけるテロの脅威に対する注意喚起

1 報道によれば、5月22日午後10時30分(現地時間)頃、カラチ市内メヘラン海軍航空基地に対する武装集団の襲撃事件が発生し、少なくとも4名の外国人技師及び5名の治安関係者が死亡しています。また、5月23日早朝(現地時間)時点で、20名以上の武装集団が同基地内に立てこもっており、早朝から既に9回の爆発が発生しているとも報じられているほか、パキスタン・タリバーン運動(TTP)が犯行声明を発出したとも報じられています。

2 カラチ市においては、4月28日に海軍職員を乗せた車両(バス)を狙った爆弾テロ(少なくとも5名が死亡、5名が負傷)で、バローチ民族過激主義グループが「今後も同様のテロを続ける。」との声明を発しているほか、4月26日に2件連続で発生した、海軍車両(バス)を狙ったバイクによる爆弾テロ(少なくとも4名が死亡、30名以上が負傷)(4月27日付スポット情報「カラチ市における連続爆弾テロの脅威に対する注意喚起」参照)した事件で、TTPが「今後もすべてのパキスタン治安機関を標的とする。」との声明を発していると報じられています。

3 また、5月16日付スポット情報「パキスタン:ウサマ・ビン・ラーディン殺害に伴うテロに関する注意喚起」のとおり、5月13日早朝、ハイバル・パフトゥンハー州チャルサダ郡で発生した爆弾テロ(少なくとも70名が死亡、115名以上が負傷)で、TTPが「ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する最初の報復であり、パキスタン及びアフガニスタンに対し、更なる大規模な攻撃を続ける。」旨述べたと報じられていることもあり、今後も同様のテロが発生する可能性は否定できません。

4 さらに、カラチ市においては、5月16日、同市に所在するサウジアラビア総領事館の車両が武装集団に襲撃され、外交官1名が死亡しているほか、5月11日にも、同総領事館敷地内に手榴弾が投げ込まれる事件が発生しており、TTPから犯行声明が出ています(5月16日付スポット情報「パキスタン:ウサマ・ビン・ラーディン殺害に伴うテロに関する注意喚起」参照。)。
その他、4月25日付スポット情報「カラチ市における爆弾テロの脅威に対する注意喚起」のとおり、民族間対立を背景としたコミュニティー間の抗争により約20名が死亡する爆弾テロが発生しているほか、治安機関に対する爆弾テロ(2010年11月)、スンニ派とシーア派の宗派対立に起因するとみられる爆弾テロ(2011年1月)、イスラム聖者廟に対する爆弾テロ(2010年10月)等が発生しており、今後も同様の爆弾テロが発生する可能性は否定できません。

5 つきましては、カラチ市に渡航・滞在される邦人の皆様は、テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の点につき十分な注意を払い、慎重な行動に心掛け、身の回りの安全対策・危機回避に留意してください。また、会社や団体など組織に属する邦人の皆様は、本件につき組織内で情報共有を行ってください。
(1)テロの標的となりやすい場所(政府機関、軍、警察等治安当局施設(車両、検問所等を含む。)、宗教関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設)、外国公館にはできる限り近づかない。
(2)マーケット、バス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛ける。

6 なお、爆弾テロ事件に関しては、以下も御参照ください(パンフレットは、http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.htmlに記載。)。
(1)2010年6月3日付け広域情報「爆弾テロ事件に関する注意喚起」
(2)パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」
(3)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」

(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3100

○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140

○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

○外務省 海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

○在パキスタン日本国大使館
電話: (92-51)907-2500

○在カラチ日本国総領事館
電話: (92-21)3522-0800                                  (了)

報復テロに関する注意喚起

1.20日午前、当地報道によれば、ハイバル・パフトゥンハー州(KP州)ペシャワル市ユニバーシティ・ロードにおいて、米国総領事館の車両2台が襲撃され、1名が死亡、10名が負傷した旨報じられています。
報道によれば、「米総領事館の車両2台を狙った爆弾テロが発生し、米国人が軽傷を負った」旨報じられています。

2.本テロ事件に対し、報道によれば、パキスタン・タリバン運動(TTP)は、「北大西洋条約機構(NATO)の全加盟国の外交官が標的だ。我々は更なる襲撃を続ける。パキスタンが第一の標的で、米国が第二である。」旨の犯行声明を出しています。

3.これに関連した事件では、16日、カラチに所在するサウジアラビア総領事館の車両が武装集団に襲撃され、外交官1名が死亡しているほか、同11日にも、同総領事館敷地内に手榴弾が投げ込まれる事件が発生しており、TTPから犯行声明が出ています。

4.現在、ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する報復テロ事件またはその余波とも思われるテロ攻撃が国内各地で発生しており、特にKP州ペシャワル近郊において、同種のテロ事件が頻発している状況です。

5.また、KP州以外の地域であっても、同州での動きと連動する形でテロの脅威が及ぶこともあります。特に、幹線道路で同州内の作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、KP州内の情勢にも注意し、安全対策への配慮をお願いします。

6.当地警察によれば、現在までに、パキスタンでの対テロ作戦に起因した反米行動や集会が行われる旨の情報には接していないとのことですが、こうした集会は突発的に実施される可能性もありますので、不特定多数の人が集まる集会等を見かけた場合には、絶対に近づかず、速やかに回避してください。

7.本件については、日本を狙った特定の脅威が存在するものではありませが、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。

(4)パキスタンで各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じてください。

(5)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。
 また、郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。

(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。

2011年5月17日火曜日

ウサマ・ビン・ラーディン殺害に伴うテロに関する注意喚起

1 5月13日早朝、ハイバル・パフトゥンハー州チャルサダ郡シャブカダル地区にある辺境警察(Frontier Constabulary)
の訓練施設前において、2度にわたり自爆テロが発生し、約70人が死亡、115人以上が負傷しました。本事件については、
パキスタン・タリバーン(TTP)運動が、「ウサマ・ビン・ラーディン(UBL)殺害に対する最初の報復であり、パキスタン
及びアフガニスタンに対し、更なる大規模な攻撃を続ける。」旨述べたと報じられています。これまでも、パキスタン政府軍
による過激派武装勢力に対する軍事掃討作戦への報復や余波とみられるテロ事件がペシャワル、マルダン、チャルサダ、
スワビ、ノウシェラ等において頻発しているところであり、UBL殺害により、更なる治安の不安定化が懸念されています。

2 さらに、5月16日、カラチに所在するサウジアラビア総領事館の車両が武装集団に襲撃され、館員1人が死亡した旨
報じられています。この数日前の11日午後には、同総領事館においてバイクに乗った何者かが建物敷地内に手榴弾を投げ込む
というテロ事件が発生しています(死傷者なし。)。両事件の背景、犯行組織等の詳細は判明しておりませんが、UBL殺害を受け、
過激派組織が米国大使館等米国権益や外国公館に対する報復テロを敢行する可能性も否定できません。

3 また、最近では、聖者廟等宗教施設における宗教行事・礼拝を狙ったテロも発生しており、今後も比較的警備が手薄で
狙いやすく、政治的な効果も高い施設や地域が攻撃の対象となることが懸念されています。例えば、イスラマバード市内に
ある聖者廟「バリー・イマーム廟」(外交団地区北方)においては、例年、5月下旬から6月上旬(本年は5月23日から5日間)
に信者による宗教行事「ウルス(聖者の命日祭)」が行われていますが、本年は治安上の理由から延期された模様です。一方、
こうした時期には、昼夜を問わず多くの信者が同廟を訪れることが予想され、2005年には同廟内にて20人以上が死亡し、
多数の負傷者が生じる爆弾テロも発生していることから、テロの標的となる可能性があります。

4 また、テロ事件が頻発しているハイバル・パフトゥンハー州以外の地域についても、同州での動きと連動する形でテロの
脅威が及ぶことがあります。特に、同州内の作戦地域と直結している都市に通じる主要道付近においては、爆発物が発見される
等、引き続きテロの脅威が存在しています。

5 ついては、パキスタンに渡航・滞在される邦人の皆様は、不測の事態に巻き込まれることのないよう、2011年5月2日付
スポット情報(「パキスタン:ウサマ・ビン・ラーディンの殺害に伴うテロ攻撃に関する注意喚起」)も参照していただき、
以下の諸点について十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に
十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・
軍・警察等治安当局施設(車両、検問所等を含む。)、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。外国人の多く集まる商業施設
等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケット、バス停等人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、
不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避ける。

(4)各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを
比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じる。

(5)車両等にて長距離を移動する場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避ける。
その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。また、郊外に赴く場合には、
その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。特に、幹線道路でハイバル・パフトゥンハー州内の
作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、同州内の情勢にも注意し、安全対策に配慮する。

(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。
             
(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3100
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
○外務省 海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
○在パキスタン日本国大使館
電話: (92-51)907-2500
○在カラチ日本国総領事館
電話: (92-21)3522-0800                                          以上

2011年5月16日月曜日

サウジアラビア総領事館車両に対する銃撃事件の発生(注意喚起)

1 当地報道によれば,本16日午前9時頃,市内DHAフェーズ5を走行中のサウジアラビア総領事館車両
が2人乗りバイク2台により銃撃され,運転していた館員1名が死亡するという事件が発生しました。

2 また,先週11日にもサウジアラビア総領事館における爆弾テロ事件が発生したばかりで,今次銃撃事件
は,サウジアラビアを標的とした可能性が高いと考えられますが,その背景や犯行組織等,何ら詳細は判明
しておりません。

3 邦人の皆様におかれましては,これら銃撃事件やテロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよ
う,当面不要不急の外出を極力抑えていただくと共に,メディア等からの最新の情報に留意しつつ慎重な行
動に心掛け,身の回りの安全対策・危機回避に留意してください。また,累次のスポット情報やパキスタン
全土に発出している危険情報も参照してください。

2011年5月14日土曜日

ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する報復テロに関する注意喚起

1.13日早朝、ハイバル・パフトゥンハー州チャルサダ郡シャブカダル地区にある辺境警察隊(FC)の訓練
施設前において、2度にわたり自爆テロが発生し、70人が死亡、115人以上が負傷するテロ事件が発生しま
した。 
 なお、本件については、パキスタン・タリバン運動(TTP)より、「ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する
最初の報復であり、パキスタン及びアフガニスタンに対し、更なる大規模な攻撃を続ける」旨犯行声明を出して
おり、治安の不安定化が懸念されています。

2.現在、連邦直轄部族地域(FATA)モーマンド管区等において、パキスタン政府軍による過激派武装勢力に
対する軍事掃討作戦が行われており、同軍事掃討作戦に対する報復や、その余波とみられるテロ事件がペシャワル、
マルダン、チャルサダ、スワビ、ノウシェラ等において頻発しています。

3.最近では、聖者廟などの宗教施設における宗教行事や礼拝時を狙ったテロ、外国公館などのソフトターゲットを
狙ったテロも発生しており、今後も比較的警備が手薄で狙いやすく、政治的な効果も高い施設や地域が攻撃の対象と
なる可能性は高いと言えます。
  イスラマバード市内にある聖者廟「バリー・イマーム廟」(外交団地区北方)においても、例年、5月下旬から
6月上旬(本年は5月23日から5日間)に信者による宗教行事「ウルス(聖者の命日祭)」が行われていますが、
本年は治安上の理由から、宗教行事は延期された模様です。他方、こうした時期には、昼夜を問わず多くの信者が
同廟を訪れることが予想され、2005年には同廟内にて爆弾テロが発生し、20人以上が死亡し、多数の負傷者が
生じた事件も発生していますので、同種の施設には絶対に近づかないよう心掛けてください。

4.また、ハイバル・パフトゥンハー州以外の地域であっても、上記1.のように、同州での動きと連動する形で
テロの脅威が及ぶこともあります。特に、幹線道路で同州内の作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る
場合には、ハイバル・パフトゥンハー州内の情勢にも注意し、安全対策への配慮をお願いします。特に、GTロード
などの主要道付近においては、爆発物が発見される等、引き続きテロの脅威が存在しています。

5.さらに、ウサマ・ビン・ラーディン殺害を受け、過激派テロ組織が米国大使館や米国権益に対する報復テロを
敢行する可能性も否定できません。治安関係機関は外交団地区等特定の地域において厳戒態勢を敷いて警備にあたって
おり、テロ事件等の未然防止に努めていますが、こうした施設へは極力近づかないでください。
  また、パキスタンでの対テロ作戦に起因した反米行動や集会が各地で行われる可能性もありますが、こうした
不特定多数の人が集まる場所はテロ攻撃の対象となる可能性も高いことから絶対に近づかないようにしてください。

6.本件については、日本を狙った特定の脅威が存在するものではありませが、在留邦人の皆様におかれましては、
不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、
今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に
十分心掛けてください。

(1) テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、
政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。
外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を
払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力
避けるよう心掛けてください。

(4)パキスタンで各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業
実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な
安全対策を講じてください。

(5) 車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力
避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄り
は避ける。
 また、郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。

(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。

2011年5月12日木曜日

大使館プール及びテニスコートの利用について

本年度の大使館プール及びテニスコートの利用につき、以下の通りお知らせいたします。

1.プール
(1)利用対象者:
 (イ)在留届を提出し、所定の手続きにより登録を行った在留邦人の方
 (ロ)イスラマバード日本人学校の水泳授業に参加する児童及び同校教諭
(2)利用期間 :5月第4週を目処(別途お知らせいたします)~ 9月30日(金)までの間の当館開館日
(3)利用時間帯:15:30~17:30
※日本人学校の水泳授業は、同校体育授業予定時間による。

2.テニスコート
(1)利用対象者:在留届を提出し、所定の手続きにより登録を行った在留邦人
(2)利用期間 :通年の当館開館日
(3)利用時間帯:15:30~17:30

3.プール・テニスコート利用申請・誓約書の提出
プール・テニスコートの利用を希望される方は、別添の「利用申請・誓約書」に所定の事項を記入し、利用者の
顔が明確に判別できる写真1枚(スナップ写真で可)を添付の上、必ず事前に当館領事警備班までご提出ください。
なお、昨年度に提出頂いた「利用申請・誓約書」は本メール発出をもって廃棄しますので、昨年度に引き続き利用
を希望される方も、必ず別添の「利用申請・誓約書」を提出して下さい。

4.利用方法
(1)上記3.の登録手続きを了した方は、大使館来館時にメインゲートにて警備員に対し目的を告げ、来訪者
名簿に所定の事項を記入してください。
(2)警備員が登録事実等を確認後、セキュリティー・チェックを実施しますので、ご協力をお願いします。
(3)所定のルート(別添「利用上の注意」参照)を経て、プール・テニスコートへ行ってください。
(4)終了後は、所定のルートを戻り、メインゲートにて退館時刻を来訪者名簿に記入してお帰り下さい。
(5)なお、往復とも所定のルート以外は立ち入らないでください。

5.その他
(1)大使館の諸行事・その他の都合により、事前に通知することなく利用を一時中止乃至は利用を取り止める
こともありますので、予めご了承ください。
(2)上記の利用申請・誓約書の提出、利用方法を遵守願います。仮に右を遵守することなく、プール・テニス
コートを利用している方がいることが判明した場合には、公館警備・施設管理上問題となるため、その方の利用を
停止乃至はプール・テニスコートの開放そのものを取り止めさせて頂くこともあり得ます。
(3)利用時間の厳守をお願いします。利用時間をお守り頂けないケースが頻発する場合は、公館警備・施設管理上
問題となるため、その方の利用を停止乃至はプール・テニスコートの開放そのものを取り止めさせて頂くこともあり
得ます。
(4)事故・疾病等に対する付保は大使館では行っておりません。利用者(乃至は保護者)各自の責任で予め保険加入
等必要な措置をおとりください。
(5)施設は国有財産です。故意又は過失により施設を損傷させた場合には、速やかに実費負担で修理をお願いします。

カラチ総領事館からのお知らせ:サウジアラビア総領事館における爆弾テロの発生(注意喚起)

1 当地報道によれば,本11日午後,サウジアラビア総領事館(市内DHAフェーズ5)においてバイクに
乗った何者かが建物敷地内に手榴弾を投げ込むという爆弾テロ事件が発生しました。2個の手榴弾が投げ込
まれましたが爆発は比較的小規模であったため,現在のところ負傷者は出ていないと報道されています。

2 今時テロは,サウジアラビアを標的としたものか,あるいは無差別に外国公館を狙ったものか,その背
景や犯行組織等,何ら詳細は判明しておりませんが,邦人の皆様におかれましては,テロ事件等不測の事態
に巻き込まれることのないよう,以下の点につき十分な注意を払い,慎重な行動に心掛け,身の回りの安全
対策・危機回避に留意してください。また,累次のスポット情報やパキスタン全土に発出している危険情報
も参照してください。
(1)テロの標的となりやすい場所(政府機関、軍、警察等治安当局施設(含む車両、検問所等),宗教関
連施設,米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設),外国公館にはできる限り近づか
ない。
(2)マーケット,バス停など人が集まる場所での用事は,短時間で効率的に行なうとともに,常に周囲の
状況に注意を払い,不審な状況を察知したら,速やかにその場から離れる。また,特に夜間の人が多く集ま
る時間帯は極力避けるよう心掛ける。

2011年5月6日金曜日

反米抗議集会等に関する注意喚起

1.報道によれば、国際テロ組織アル・カイーダ指導者ウサマ・ビン・ラーディンが米当局の作戦により殺害されたことを受け、6日午後(金曜礼拝後)、宗教政党であるジャマーアテ・イスラミ(JI)による反米抗議集会が計画されている旨報じられています。

2.5月3日付「大使館からのお知らせ」にて、イスラマバード市内に所在するアッパラ・マーケットおよびメロディ・マーケットにおける脅威情報につきお知らせしていますが、6日(金)から週末にかけては、こうした抗議活動や参集した多数の群衆を狙ったテロ攻撃が発生する可能性は否定できませんので、同期間における大規模なマーケットの利用は厳に避け、不要不急の外出は極力控えるよう心掛けてください。なお、仮に外出する場合でも、不特定多数の人が集まっている場所や外国人が多く利用するマーケットの利用は避けるよう細心の注意を払うとともに、行き先など関係者以外には不必要に知らせないようご注意ください。

3.なお、当地米国大使館のホームページによれば、5月4日、ペシャワル及びラホールに所在する米国総領事館も再開させた旨掲載しています。

4.テロの被害に遭わないため、また、被害を最小限に抑えるためにも、日頃から周囲を注意深く確認し、少しでも不審人物の以下のような動きや特徴を察知することが重要です。
(1)テロの実行犯は総重量5キロ以上の自爆ジャケットを着用していることが多いことから、ぎこちない動きをする。最近の傾向としては、10代の少年が多い。
(2)自爆を目前にした緊張から、振る舞いが神経質で特異な印象を受けることが多い。
(3)自爆時に爆発物を作動させる必要があるため、腰部をまさぐる仕草をとることが多い。
(4)爆発時には右手を高く掲げ、叫ぶ行為を行うこともある。

5.当然のことながら、テロ事件に巻き込まれないためには、日頃から細心の注意を払い、高い危機意識を持って行動することが重要です。また、異常な状態を察知するためには、平時においても周囲の状況を良く観察しておき、「正常な状態」を知ることが重要です。最近は自爆テロのほか、計画的な設置型の爆破テロも増えていますので、日頃見かけない不審な車両やバイクが近くに駐車してある場合など、普段と異なる状態を確認した際は速やかにその場から回避してください。
  また、爆破テロが至近で発生した場合には、以下のことを心掛けておくことが求められます。
(1)自宅、職場や学校にて爆発音が聞こえた場合、爆発音も比較的遠く、ある程度安全と判断される場合には、最低でも1時間程度はその場にとどまってください。警察や軍が事件現場を封鎖する前に移動しては危険です。
(2)建物内にいた時に近くで爆発音や銃声が聞こえた場合、すぐに低い姿勢をとり、ガラス窓及びガラス扉の近辺を避けるとともに、周囲の状況を慎重に確認し、低い姿勢で移動されるよう心掛けてください。慌てて外に飛び出すのは危険です。
(3)外出中に近くで爆発音が聞こえた場合、すぐにできるだけ低い姿勢をとってください。大きなガラスや倒れやすいブロック塀の近くは危険ですので、あまり近づかないようにしてください。
(4)ガラスは強い衝撃を受けると割れて飛散しますが、この飛散したガラス片によって怪我をする例が多く見られます。ガラス片の飛散を防ぐためには、ガラスに飛散防止フィルムを張ることが有効です。飛散防止フィルムの貼付作業は、当地業者に依頼することが可能です。
(5)飛散防止フィルムの貼付が難しい場合には、厚手のカーテンを閉めておくことで、ある程度、ガラスの飛散は防げると言われていますので、在宅時は厚手のカーテンを閉めておくことをお勧めします。
(6)住居から避難する際、飛散したガラス片を踏んで怪我をすることもありますので、日頃から室内ではスリッパを使用したり、各部屋にスリッパを用意しておくことも一案です。

6.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人において安全対策・危険回避に十分心掛けてください。
(1)標的となり得る施設(米国関連施設、軍・政府関連施設(特に、治安機関)、外国人が多く利用するマーケット、ホテル、レストラン、カフェ)には、当面の間、極力近づかない。
(2)外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は避ける。特に夜間の人が多く集まる時間帯は厳に避けるよう心掛けてください。
(3)デモや集会を見かけたら、絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。
(4)緊急事態が発生した場合、自らの安否や所在につき家族または勤務先に至急一報することが重要。携帯電話がある場合は、日頃から携帯電話を常時携行し、家族、勤務先または大使館等の番号を予め携帯電話に番号登録しておく。
(5)当地は治安情勢が急激に悪化する可能性が高く、余儀なく自宅ないしは勤務先等に留まらざるを得ない状況も想定されるので、少なくとも3日から1週間程度の籠城が可能となるよう日頃から食料品、飲料水及び発電機用燃料等を保管しておく。
(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。

2011年5月4日水曜日

海外へ渡航される皆様へ(動物検疫に関する注意)

 仕事や旅行などで海外へ渡航されることがあると思いますが、海外では、多くの国で
家畜の悪性伝染病である口蹄疫や鳥インフルエンザが発生・流行している場合がありま
す。特に、口蹄疫については、現在、韓国、中国、東南アジアなどの国々で発生してお
り、注意が必要です。
 これらの病原体を日本国内へ持ち込まないよう、注意すべき対策について、以下のと
おりお知らせします。

1 病原体を日本へ持ち込まないために、海外では、家畜を飼養している農場などへの
立ち入りは極力避けるようにしてください。やむを得ず海外で農場などへ立ち寄ったり、
家畜に接触した方や、ゴルフシューズなど土等の付着した物をお持ちの方は、病原体が
身体や持ち物に付着しているおそれがありますので、帰国時に動物検疫所のカウンター
にお立ち寄りください。

2 帰国時には、空海港において、すべての方を対象に靴底の消毒を実施していますの
で、消毒マットの上を歩いていただくようご協力をお願いします。

3 また、海外から肉、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの肉製品を日本へ持ち込むこ
とはできませんのであらかじめご留意ください。

○参考情報:動物検疫所:http://www.maff.go.jp/aqs/index.html
  「海外へ旅行される方へのお願い」:
   http://www.maff.go.jp/aqs/topix/mizugiwa.html
  「畜産物の輸出入」:
   http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/product/index.html

(問い合わせ先)
 ○外務省領事局政策課(医療情報)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
 ○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
 ○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
               http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版)

ゴールデンウィークに海外に渡航する皆様へ(海外で注意すべき感染症について)

 ゴールデンウィークの期間には,多くの方が海外へ渡航されることと思い
ますが,海外滞在中に感染症にかかることなく,安全で快適に旅行し,無事
に帰国するために,現在,海外で注意すべき感染症及びその予防対策につい
て,以下のとおりお知らせいたします。

 感染症にかからないようにするためには,感染症に対する正しい知識と予
防方法を身につけることが重要です。渡航先や渡航先での行動内容によって
異なりますが,最も感染の可能性が高いのは,食べ物や水を介した消化器系
の感染症です。また, 蚊やダニ,動物などが媒介する感染症は,日本での発
生は少ないものの海外で流行している地域もあり注意が必要です。また,WHO
が排除又は根絶を目指している麻疹(はしか),ポリオは,日本での感染者
が減少傾向又は発生が認められていないものの,諸外国では未だに流行して
います。
 海外渡航を予定されている方は,渡航先での感染症の発生状況に関する情
報を入手し,予防接種が受けられる感染症については,余裕をもって相談し
ておくなど,適切な感染予防に心がけてください。
 なお,日本の空港や港の検疫所では健康相談を行っています。帰国時に発
熱や下痢等,具合が悪い場合にはお気軽に検疫所係官にご相談ください。
 感染症には潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が長いものもあり
(数日から1週間以上),帰国後しばらく経過してから具合が悪くなることが
あります。その際は早急に医療機関を受診し,渡航先,滞在期間,飲食状況,
渡航先での行動,家畜や動物との接触の有無などについて必ず伝えてください。

1.蚊やダニなど節足動物が媒介する感染症
 渡航先(国・地域)や渡航先での活動によって,感染する可能性のある感染
症は大きく異なりますが,世界的に蚊を媒介した感染症が多く報告されています。
特に熱帯・亜熱帯地域ではマラリア,デング熱,チクングニヤ熱などに注意が
必要です。

(1)マラリア
 毎年世界中で約2億5000万人以上の患者が発生し,80万人以上の死亡者がいる
と報告されています。我が国では,海外で感染して帰国される方(輸入症例)が
毎年50人以上報告されています
○発生地域:アジア,中南米,アフリカなど熱帯・亜熱帯地域に広く分布。
○感染経路:マラリア原虫を保有した蚊に刺された際に感染する。媒介蚊である
 ハマダラカは森林地帯を中心に夕方から夜間に出没する傾向がある。また,ア
 フリカやインドでは,都市型のマラリアも報告されている。
○主な症状:マラリア原虫の種類により10日~30日の潜伏期ののち,悪寒,発熱,
 顔面紅潮,呼吸切迫,結膜充血,嘔吐,頭痛,筋肉痛など。迅速かつ適切に対
 処しなければ重症化し死亡する危険がある。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し,素足でのサンダル履き等は避ける。虫除
 けスプレーや蚊帳等の使用により,蚊に刺されないよう注意する。特に夜間の
 屋外での飲食時や外出時に蚊に刺されないよう注意する。2週間以上流行地に
 滞在し,野外作業等に従事する場合には,抗マラリア薬の予防内服を行うこと
 が望ましい。
○参考情報:
  FORTH/厚生労働省検疫所「マラリア」
  http://www.forth.go.jp/useful/malaria.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:マラリア」
  http://idsc.nih.go.jp/disease/malaria/index.html

(2)デング熱,デング出血熱
 世界中で25億人が感染するリスクがあり,毎年約5,000万人の患者が発生してい
ると考えられています。
我が国では,海外で感染して帰国される方(輸入症例)が毎年約100人報告されて
います。2010年は243人の患者が報告されており,インドネシア,フィリピンでの
感染事例が増加しているので注意が必要です。
○発生地域:アジア,中南米,アフリカなど熱帯・亜熱帯地域に広く分布。
○感染経路:ウイルスを保有したヤブカ類(ネッタイシマカ,ヒトスジシマカなど)
 に刺された際に感染する。媒介蚊は日中,都市部の建物内にも出没する。
○主な症状:突然の発熱,激しい頭痛,関節痛,筋肉痛,発疹。デング熱患者の一部
 は重症化して,出血傾向がみられるデング出血熱となることがある。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し,素足でのサンダル履き等は避ける。虫除けス
 プレーや蚊帳等の使用により,日中蚊に刺されないように注意する。
○参考情報:
  FORTH/厚生労働省検疫所「デング熱」
  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:デング熱」
  http://idsc.nih.go.jp/disease/dengue/index.html
  国立感染症研究所「デングウイルス感染症情報」
  http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/dengue.htm

(3)チクングニヤ熱
 アフリカ,東南アジア,南アジアの国々で流行しており,2006年にはインドで
約140万人の感染者が報告されています。
 我が国では,2010年に海外で感染して帰国後にチクングニヤ熱と診断された事例
(輸入症例)が,インドネシアから3例確認されています。また,2011年もすでにイ
ンドネシアからの輸入症例が確認されています。
○発生地域:東南アジア(マレーシア,タイ,インドネシア,シンガポールなど),
 インド,パキスタン,スリランカやモルディブなどのインド洋島嶼国,マダガス
 カル。2007年にはイタリア,2010年にはフランスでも流行。
○感染経路:ウイルスを保有したヤブカ類に刺された際に感染する。
○主な症状:2~12日(通常4日~8日)の潜伏期ののち,突然の発熱,激しい頭痛,
 関節痛,筋肉痛,発疹。関節痛は急性症状消失後も数か月続くことが多い。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し,素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け
 スプレーや蚊帳等の使用により,日中蚊に刺されないように注意する。

(4)ウエストナイル熱・脳炎
 ウエストナイルウイルスが原因の熱性感染症です。このウイルスは,鳥と蚊の間で
維持されている感染症です。北米地域で毎年数千人の感染者が報告されています。
 米国での流行は,例年蚊の活動が活発になる7月頃から始まり,年末まで報告が続く
のが特徴です。
○発生地域:アフリカ,欧州南部,中東,近年では北米地域,中南米にも拡大している。
○感染経路:ウイルスを保有した蚊(主にイエカ類)に刺された際に感染する。媒介
 する蚊は多種類に及ぶ。
○主な症状:2~14日(通常1日~6日)の潜伏期のち,発熱,激しい頭痛,関節痛,
 筋肉痛,背部痛,皮疹など。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し,素足でのサンダル履き等は避ける。虫除け
 スプレーや蚊帳等の使用により,日没後,特に屋外で蚊に刺されないように注意する。
○参考情報:
  厚生労働省「ウエストナイル熱について」
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/west_nile_fever.html
  FORTH/厚生労働省検疫所「ウエストナイル熱」
  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name29.html
  国立感染症研究所「ウエストナイルウイルス」
  http://www.nih.go.jp/vir1/NVL/WNVhomepage/WN.html

(5)クリミア・コンゴ出血熱
 クリミア・コンゴ出血熱ウイルスが原因の熱性出血性感染症です。このウイルス
は,ヒツジなどの家畜とダニの間で維持されています。死亡率の高い感染症で,北
半球では,4月から6月に流行します。特に,最近トルコでクリミア・コンゴ出血熱
の報告が増加しています。
○発生地域:中国西部,東南アジア(パキスタン),中央アジア,中東,東ヨーロッパ,アフリカ。
○感染経路:ダニに咬まれたり,感染動物(特にヒツジなどの家畜)と接触して感染する。
○主な症状:発熱,関節痛,発疹,紫斑(出血),意識障害など。
○感染予防:長袖,長ズボンを着用し,素足でのサンダル履き等は避ける。また,
 家畜などにむやみに触れない。
○参考情報
  FORTH/厚生労働省検疫所「クリミア・コンゴ出血熱」
  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name38.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:クリミア・コンゴ出血熱」
  http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_31/k02_31.html

2.動物由来感染症

 「動物由来感染症」とは動物から人に感染する病気の総称です。日本では動物由来
感染症の発生はありませんが,海外では,人に重篤な症状を起こす感染症が存在して
います。むやみに野生動物や飼い主がわからない動物に触れることは避けてください。

(1)鳥インフルエンザ(H5N1)
 H5N1亜型インフルエンザウイルスを病原体とする鳥インフルエンザ(H5N1)は,東
南アジアを中心に家きん(ニワトリ,アヒルなど)で発生しています。人は,感染し
た鳥の解体調理,閉鎖的な飼育小屋などの空間で飼育されている家きんとの接触など,
家きんの臓器,体液,糞などと濃厚に接触することによって感染することがあります。
人が感染した場合には,重篤な症状となることが多く,世界保健機関(WHO)によると,
2003年11月から2011年4月11日までに世界15か国で549人の発症者(うち死亡者320人)
が報告されています。
 2011年も、新たな患者がエジプト、ベトナム、インドネシア、カンボジア、香港で
確認されています。
○発生地域:東南アジアを中心に,中東・ヨーロッパ・アフリカの一部地域など
○感染要因:感染した家きんや臓器,体液,糞などとの濃厚な接触
○主な症状:1~10日(多くは2~5日)の潜伏期間ののち,発熱,呼吸器症状,下痢,
 多臓器不全等
○感染予防:・鳥との接触を避け,むやみに触らない。
 ・生きた鳥が売られている市場や養鶏場にむやみに近寄らない。
 ・手洗いやうがいの励行(特に発生国・地域では徹底してください)。
○参考情報:
  厚生労働省「鳥インフルエンザに関する情報」
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
  FORTH/厚生労働省検疫所「鳥インフルエンザ(H5N1)」
  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name54.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:鳥インフルエンザ」
  http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html

(2)狂犬病
 狂犬病は,狂犬病ウイルスによる感染症です。人は感染動物(アジアでは主として
犬)に咬まれることよって唾液からウイルスに感染し,長い潜伏期の後に発症します。
発症すると有効な治療法は無く,ほぼ100%死亡します。世界における死者数は毎年
5万5千人といわれています。狂犬病ワクチン接種による発症予防が可能です。感染
動物に咬まれたら,直ちに狂犬病ワクチンを接種することにより発症を防げます。
 我が国では,2006年にフィリピンで犬に咬まれ帰国後に発症し,死亡した事例が2
例報告されています。
 狂犬病流行地で犬などの動物に咬まれたら,すぐに傷口を石けんと水でよく洗い,
できるだけ早く現地の医療機関を受診し,傷口の消毒や狂犬病ワクチンの接種を受け
ましょう。帰国時には検疫所に申し出て,指示を受けてください。
○2008年11月には,それまで狂犬病の発生がないとされていたインドネシアのバリ島
 で犬の狂犬病感染例が確認され,発病した犬に噛まれた住民が死亡しています。バ
 リ島での狂犬病流行は継続しており,現在も死亡者が確認されています。
○2010年2月,米国ニューヨーク市保健衛生局の発表では,セントラルパーク内で狂犬
 病のアライグマが確認されました。現在,アライグマに狂犬病ワクチンを接種し,
 本病が犬,猫など他の動物に広がって人が感染するリスクを減らそうとしています。
 2010年3月には猫で本病に感染した事例が1例報告されています。

○発生地域:世界のほとんどの地域。特にアジア,アフリカ(発生がない地域は,
 英国,北欧の一部,豪州,台湾,ハワイ,グアムなど)。
○感染要因:動物(アジアでは特に犬。ネコ,アライグマ,キツネ,スカンク,
 コウモリ等)からの咬傷など。
○主な症状:1~3か月の潜伏期間の後,発熱,咬まれた場所の知覚異常,恐水・恐風
 症状等の神経症状を発症。
○感染予防:犬等(猫,野生動物等,特に飼い主のわからない動物)との接触を避ける。
 もしも犬等から咬まれた場合は,速やかに医療機関を受診し,消毒,暴露後予防ワク
 チンの接種を受ける。
○参考情報:
  厚生労働省「狂犬病について」:
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html

(3)エボラ出血熱
 主にサハラ砂漠以南のアフリカ熱帯雨林地域で流行している,ウイルスによる発熱
性出血熱を特徴とする感染症であり,現在まで,アフリカ西部のコートジボワールと
アフリカの中央部で発生しています。2000年から2001年にはウガンダで,2001年から
2002年にはガボンとコンゴ共和国の国境地帯での流行が報告されています。これらの
地域では毎年のように流行が発生しており,さらに,スーダンやウガンダでも発生し
ています。
○発生地域:アフリカ(中央部~西部)
○感染要因:ウイルスの自然宿主はコウモリとされている。感染したサルなどの血液,
 分泌物,排泄物,唾液などとの接触でも感染する可能性がある。また,エボラ出血
 熱患者に接触して感染する場合が最も多い(院内感染など)。流行地域の洞窟に入
 ることは感染リスクの一つ。
○主な症状:2~21日の潜伏期ののち,発熱,頭痛,下痢,筋肉痛,吐血,下血など。
 インフルエンザ,チフス,赤痢等と似た症状を示す。
○感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。洞窟への侵入
 は避ける。
○参考情報:
  FORTH/厚生労働省検疫所「エボラ出血熱」
  http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html

(4)マールブルグ病
 マールブルグ病はエボラ出血熱とともに,ウイルスによる発熱性出血熱を特徴と
する感染症であり,アフリカのケニア,ジンバブエ,コンゴ民主共和国,アンゴラ
などで発生しています。2008年にはオランダ,米国の旅行者が,ウガンダの洞窟に
入り,帰国後にマールブルグ病を発症・死亡した事例も報告されています。大きな
流行になる場合もありますので御注意ください。
○発生地域:サハラ以南のアフリカ
○感染経路:ウイルスの自然宿主はコウモリとされている。洞窟内ではコウモリから
 排泄されたウイルスが原因となり,経気道感染することがある。感染したサルなど
 の動物の血液,分泌物,排泄物,唾液などとの接触でも感染する可能性がある。マ
 ールブルグ病患者に接触して感染する場合が最も多い(院内感染など)。
○主な症状:3~10日の潜伏期ののち,初期には発熱,頭痛,悪寒,下痢,筋肉痛など。
 その後体表に斑状発疹,嘔吐,腹痛,下痢,出血傾向。
○感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。洞窟への侵入
 は避ける。
○参考情報:
  厚生労働省「マールブルグ病に関する海外渡航者への注意喚起について」:
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou25/index.html

3.諸外国での感染に注意すべき感染症
 WHOは,麻疹については「麻疹排除計画」により,ポリオについては「ポリオ根絶
計画」により,感染者の減少に取り組んでおります。
 日本においては,麻疹は2010年1月以降11月21日までに417人の患者が報告されてい
ます。また,ポリオについては,30年近くにわたり野生株によるポリオ症例は発生し
ていませんが,今後,流行地からの輸入症例に留意する必要があります。

(1)麻疹(はしか)
 世界中で年間16万4,000人以上の麻疹による死者がいると推計され,主に東アジア,
南アジアの国々から報告されています(WHOによる2008年時点の推計)。
 特に,2011年4月21日に公表されたWHOの情報によれば,4月18日現在,ヨーロッパの
33の国で,6,500例を超える麻疹の患者が報告されています。
○発生地域:南北アメリカ大陸(2002年に排除宣言)及び大韓民国(2006年に排除宣言)
 を除く全世界で発生。特に予防接種率の低い国に多い。
○感染経路:空気感染,飛沫感染,接触感染。
○主な症状:発熱,咳,鼻水,目の充血・目やになどが2~3日続いた後,39℃以上の
高熱と全身に発疹が出る。肺炎,中耳炎,脳炎が起こる場合もある。
○感染予防:麻疹ワクチンの予防接種が有効。日本では1歳になったらすぐに1回目の
 麻疹風疹混合ワクチンの接種を受け,小学校入学前1年間の間に2回目のワクチンを受
 ける。2008~2012年度の5年間は,2回目の接種を受けていない人を対象に,中学1年生
 と高校3年生相当年齢の人の予防接種を追加実施している。
○参考情報:
  厚生労働省検疫所「麻しん」
  http://www.forth.go.jp/archive/tourist/kansen/33_measles.html
  同 新着情報「ヨーロッパで麻しん(はしか)が集団発生しています。」
  http://www.forth.go.jp/topics/2011/04221703.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:麻疹」
  http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html
  感染症週報:読者のコーナー(2010年 南アフリカ旅行での感染症予防)
  http://idsc.nih.go.jp/idwr/faq.html#q200501

(2)ポリオ
 2009年には,世界で1,604人の患者が報告されました(WHO世界ポリオ根絶計画
事務局による集計)。日本では,30年近くにわたり,野生株によるポリオ症例は
発生していませんが,ポリオ流行地で感染し,帰国後に発症する事例(輸入症例)
に留意する必要があります。
○発生地域:流行している国は,アフガニスタン,インド,ナイジェリア,パキス
 タンの4か国であるが,周辺国でも,輸入症例の発生が報告されている。2010年
 には,タジキスタンで大規模なポリオ流行が報告され,周辺諸国にも感染が拡大
 した。その後,コンゴ民主共和国での大規模な1型野生株ポリオ流行が報告され
 ている(2010年11月現在)。
○感染経路:経口感染(感染者の糞便中に排泄されたウイルスが,口から体内に入る)。
○主な症状:感染した人の90~95%は症状が出ずに経過するが,典型的な麻痺型ポ
 リオの場合,かぜのような症状が1~10日続いて,手足に非対称性の弛緩性麻痺
 (だらりとした麻痺)が起こる。
○感染予防:ポリオワクチンの予防接種が有効。また,食事の前には十分な手洗いを
 行う。WHOでは患者発生のある国に渡航する場合には,ポリオの予防接種を受けて
 いても,出発前に追加接種を勧めている。
○参考情報:
  厚生労働省検疫所「ポリオ」
  http://www.forth.go.jp/archive/tourist/kansen/19_polio.html
  国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:ポリオ」
  http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/index.html

4.そのほか注意すべき感染症
 渡航先や渡航先での行動内容によって,かかる可能性のある感染症はさまざま
ですが,特に食べ物や水を介した消化器系の感染症(A型肝炎,E型肝炎,コレラ,
赤痢,腸チフスなど)は,途上国など公衆衛生の整備などが不十分な地域で感染
することが多く,注意が必要です。生水,氷,サラダ,生鮮魚介類,生肉等の十分
に加熱されていない物の飲食は避けましょう。また,生鮮魚介類や生肉等を介した
寄生虫疾患も注意が必要です。
 詳細は厚生労働省ホームページを参照ください。
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou27/dl/100423-1e.pdf)

5.海外の感染症に関する情報の入手
 海外の感染症に関する情報は,以下のサイトより入手することが可能です。出発
前に渡航先の感染症の流行状況等に関する情報を入手することをお勧めいたします。
また,日本の空港や港の検疫所においても,リーフレット等を用意し情報提供を行っ
ていますので,ご活用ください。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou27/100423-1.html

厚生労働省検疫所(海外渡航者のための感染症情報)ホームページ
 http://www.forth.go.jp/
国立感染症研究所感染症情報センター(感染症別の詳細情報)
 http:// idsc.nih.go.jp/disease.html
外務省海外安全ホームページ(感染症関連情報)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/
外務省ホームページ(世界の医療事情)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

(問い合わせ先)
 ○外務省領事局政策課(医療情報)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
 ○外務省領事サービスセンター(海外安全相談担当)
   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
 ○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
               http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版)

イスラマバード市内に所在するマーケットに対する脅威情報

1.国際テロ組織アル・カイーダ指導者ウサマ・ビン・ラーディンの殺害との関係性は不明
ですが、当地警察によれば、イスラマバード市内に所在するアッパラ・マーケットおよび
メロディ・マーケットについては、6日(金)午前10時から午後4時(特に、金曜礼拝の
時間帯)までの間、厳に同マーケットの利用は避けるよう注意喚起がありました。

2.なお、当地米国大使館のホームページによれば、5月3日、イスラマバードに所在する
米国大使館およびカラチに所在する米国総領事館を再開させる旨掲載しています(ただし、
ペシャワル総領事館およびラホール総領事館は一時閉館中)。
  また、インターナショナル・スクールも一時休校としていましたが、4日より再開する
予定とのことです。

3.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのない
よう、標的となり得る施設(米国関連施設、政府関連施設(特に、治安機関)、外国人が多く
利用するマーケット、ホテル、レストラン、カフェ)には、当面の間、極力近づかないよう
注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人において安全対策・危険
回避に十分心掛けてください。

2011年5月3日火曜日

カラチ総領事館からのお知らせ:市内の治安悪化に対する注意喚起

1 本日の米当局におけるウサマ・ビン・ラーディンの殺害に加え,当地報道によれば,4月30日(土)未明,カラチ市内グルシャンイクバルにおいて前MQM州議会議員が何者かに銃撃され殺害される事件が発生し,さらに,5月2日(月),同市内ランディにおいて前MQM地区本部長が何者かに銃撃され殺害される事件が発生しました。現在,同市内においてこれら事件発生への連鎖反応とみられる30台以上のバス放火事件が発生したとの報道もあります。

2 昨年8月には,MQM議員が暗殺されたことにより,カラチ市内全域で殺人事件及び放火事件が多発した結果,1週間で約100名以上が殺害された事例もあります。

3 これらの事案を受け,現在カラチ市内は極めて緊張した状況となっています。上記の各事案において,邦人が直接の標的になる可能性は低いものと考えられますが,巻き添えに遭う可能性は何ら否定できません。
市内状況がいつ安定するかは予測できませんが,当面は不要不急の外出を避け,不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の情報に留意しつつ,引き続き強い警戒心を保持していただくようお願いします。
 なお,外出する場合においても,以下の場所は極力避けるようにご留意願います。

(1)軍,警察,政府関係施設,宗教関連施設(全てのモスクを含む),外国公館等
(2)バスターミナル,ショッピングセンター,高級ホテル,自由市場等多数人が集まる公共施設等
(3)政治演説,政治集会,抗議集会,政党関係事務所等

2011年5月2日月曜日

パキスタン治安情勢:テロの危険性について

パキスタン治安情勢:テロの危険性について

(内容)
1.報道によれば、国際テロ組織アルカイダ指導者のウサマ・ビン・ラーディンが、ハイバル・パフトゥンハー州アボタバードにおいて、米当局の作戦により殺害された旨報じられています。

2.本件殺害を受け、過激派テロ組織が米国大使館や米国権益に対する報復テロを敢行する可能性も否定できず、治安関係機関は外交団地区等特定の地域において厳戒態勢を敷いて警備にあたっており、テロ事件等の未然防止に努めていますが、国内における治安の不安定化が懸念されています。

3.なお、5月1日付にて、米国政府はパキスタンでの対テロ作戦に起因した反米行動や集会に対する広域情報を発出しており、米国関連施設においては警戒態勢を執っている旨伝えています。
また、イスラマバード市内に所在するインターナショナル・スクールは、市内におけるデモ等の発生を懸念し、安全上の措置として、2日午後より一時休校としました。

4.本件については、日本を狙った特定の脅威が存在するものではありませが、パキスタンに在住されている
邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」で
お伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の
状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が
多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。

(4)パキスタンで各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じてください。

(5)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。

(6)誘拐を防ぐためには、例えば次のような対策をとることが有用です。
(イ)日常の行動パターンを画一化しない。通勤や買い物等に同じ経路や時間帯を使うのではなく、数パターンに使い分ける。
(ロ)行動予定を多くの人に知られないようにする。
(ハ)服装面で目立たないよう注意する。
(ニ)買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動することをお勧めします。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く察知し、速やかにその場から離れることが可能となります。
(ホ)乗車の際には必ずドアを施錠し、窓を開ける場合でもわずかの隙間だけ開けるように心掛けてください。
これにより、例えば、交差点で停車した際、容易にドアを開けられて外へ引きずり出されるのを防ぐことができます。
(ヘ)人目の少ない場所はできるだけ避ける。
(ト)外出中は周囲に不審者、不審車両がいないか確認し、尾行や監視がないか注意する。

(7)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。