2012年2月29日水曜日

ギルギット・バルチスタン地域(旧北方地域)への渡航・滞在に関する注意喚起

1 28日、ギルギット・バルチスタン地域(旧北方地域)ギルギット発ラワルピンディ行のバスがハイバル・パフトゥンハー州(KP州)コヒスタン郡に差し掛かったところ、何者かに襲撃され、乗客18名が死亡するという事件が発生しました。警察によれば、被害者は全員シーア派教徒であり、地元のスンニ派武装グループに襲撃された旨の報道もあります。

2 ギルギット・バルチスタン地域は、これから観光シーズンを迎え、邦人旅行者をはじめ多くの旅行者が同地域を訪れます。同地域の治安は、パキスタンの中では比較的安定していますが、これまでもイスラム教シーア派とスンニ派の宗派間抗争による銃撃事件や爆弾テロ事件が発生しており、過去、こうした衝突により商店に火がつけられ、住民が暴徒化した事態も発生しており、滞在にあたっては十分な注意が必要です。

3 在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう以下の点について十分な注意を払うとともに、最新の治安情勢に関心を向けるなど、個々人における安全対策に心掛けてください。また、日程には余裕を持ち、フライト・キャンセルの場合も、長距離の陸路移動に頼ることなく、フライト再開を待つことができるようなアレンジをお勧めします。また、日程には余裕を持ち、フライト・キャンセルの場合も、長距離の陸路移動に頼ることなく、フライト再開を待つことができるようなアレンジをお勧めします。
(1)不特定多数の人が集まる場所には決して近づかない。特に、テロの標的となり得る施設(政府・軍・治安関係施設、聖者廟などの宗教関連施設、欧米関連施設等)等にはできる限り近づかない。
(2)買い物は日中に済ませ、人が多く集まる夜間のマーケットの利用はできる限り避ける。
(3)夜間の移動は極力控える。幹線道路であっても夜間の長距離移動は避ける。
(4)前述のフライト・キャンセルのほか、万一の事態の発生に備え、十分な移動時間を充てた無理のない旅行日程を組む。
(5)長時間の散策やトレッキング等に臨む場合には、その距離や時間帯を勘案し、自身の体力に見合った余裕のあるコースを選択する。
(6)土地勘のない場所での行動には細心の注意を払うとともに、単独での行動は絶対に避ける。
(7)緊急事態が発生したときは、至急、自らの安否や所在等を家族又は勤務先に一報することが重要。携帯電話を常時携行するのはもちろんのこと、家族、勤務先及び大使館等の電話番号を予め携帯電話に登録しておく。
(8)山間部の道中では、度々、土砂崩れや転落事故が発生しているので、特に降雨時は注意する。可能であれば、現地案内に慣れたガイドと共に旅行に臨むことをお勧めする。

2012年2月15日水曜日

誘拐対策について

1月5日、バロチスタン州クエッタ市内において国際赤十字委員会(ICRC)の英国人医師が誘拐されたほか、1月16日、カラチ市内オランギ地区において中国人歯科医が武装グループに誘拐、さらには、1月19日、ムルタンにおいて外国人援助関係者が誘拐されるなど、最近、国内において誘拐事件が多発しております。
 そこで今一度、下記のとおり、誘拐対策について注意喚起させていただくとともに、在留邦人の皆様におかれましては、本メールを熟読の上、御家族共々、常日頃から安全対策・危険回避に万全を期してください。



1 はじめに
   (1) 誘拐対策は、犯人との知恵比べである。どちらの備えが勝っているかで勝負がつく。
  (2) その場に直面しても、沈着冷静を心掛け、決してヒーローになろうと思わぬことである。
(3) ①目立たない、②用心を怠らない、③行動を予知されない、という3原則を守る。

   2 車の運転時におけるポイント
~外出時が一番危険です。原則、外出は車で。運転手にも注意喚起を~
   (1) 事前準備と乗車前点検
・ 郊外に外出するときは、明るい時間帯に出発し、日没までに帰宅できるプランを立てる。
・ ガソリンは、常に半分以上にしておく。
     ・ 車の周囲に不審な点がないかチェックする。
    ・ 車の内部(特に後部座席)に不審者や不審物がないかチェックする。
    ・ 付近に駐車中の車に人が乗っている場合、見張りや尾行のためではないか、気をつける。
   (2) 運転手に対する指導
    ・ 駐車中は、原則、運転手を外に置き、周囲の状況をチェックさせる。
    ・ 運転手が見あたらないときは、車に乗り込まない。
    ・ 何か異変があるときのサインを決めておく。
    ・ 行き先、スケジュール等は運転手に事前に伝えることは避け、原則、乗ってから告げる。
   (3) 乗車中の注意
  ・ ルートとスケジュールのルーティン化を避ける。
    ・ 全てのドアをロックし、窓は閉める。
    ・ 事故や負傷者を装うことがあるので、これを見て車両を止めない。当然、ヒッチハイカーは乗せない。
    ・ 回避行動のため、できる限り道路中央を走行する。また、交差点や信号では、およそ1台分のスペースをおいて停車する。
    ・ 常に後方を確認し、尾行に気づいたら止まらずに、最寄りの安全な場所(警察署、警備厳重なショッピングセンター等)に避難する。
    ・ 避難場所がない場合、クラクション等を鳴らし続け、人の注意を引く。
   (4) 到着時の注意
    ・ 駐車場に不審者(車)がないことを確認した後に降車する。
    ・ ガレージに不審者が潜まぬよう、照明やロックを厳重にする。

   3 部外者対応におけるポイント
~警備員を備えている場合、同人にも注意喚起を~
    ・ 郵便配達や物売り等、見知らぬ者は敷地内に入れず、警備員を備えている場合は同人に対応させるとともに、必ず氏名、連絡先、用件等を確認させる。また、敷地内をランダムにパトロールさせる。
     ・ 常に自宅周辺に不審な者がいないか、点検を怠らない。
     ・ 自宅直近に車両を駐車させない。

   4 自宅の安全対策上のポイント
     ・ 昼夜を問わず、外に面する出入口(窓はもとより、玄関や裏口等)は、補助錠とともに常に施錠しておく。自宅内については、就寝中、必ず寝室を施錠する。
     ・ 警備員や使用人を容易に自宅内に入れない。また、それらの者が、夜間、自宅内への出入りを求めてきた場合は、容易に応ずることなく、携帯電話等で要件を聴取すること。
・ 料理人等、やむを得ず自宅内を出入りする者がいる場合は、居住スペースとの境界を鍵等の付いた扉で仕切る等、自宅内を自由に移動させない。

5 その他
    ・ 警備員及び使用人にも十分注意して監督する。使用人が泥棒を敷地内に招き入れたケースや、警備員が脅されて寝室の扉を開け、誘拐犯の侵入を容易にしたケースもある。
  ・ 携帯電話を常時携行し、家族、勤務先または大使館等の番号を予め携帯電話に番号登録しておく。
・ 襲撃の際には、必ず「兆候」がある。常に周辺に対する警戒を怠らず、家族や使用人に対し、何か日常と違う点があれば、速やかに報告させる。
 (誘拐事件の兆候例)
   ○ 自宅周辺に不審な人物がいる、不審な車がとまっている。
   ○ 覚えのない郵便物や宅配便が届く。
○ 警備員や使用人とトラブルがあった、警備員や使用人の態度がおかしい。   
○ 電話に時々雑音が入る、無言電話が多い。
   ○ 付き合いの深くない人から、郊外への外出に誘われている。
   ○ 誰かに尾行さる、脅迫を受ける、金銭要求を受ける。
   ○ 不審な警察官に質問を受ける。