2011年4月5日火曜日

ギルギット・バルチスタン地域(旧北方地域)への渡航・滞在に関する注意喚起

1.ギルギット・バルチスタン地域(旧北方地域)では、観光シーズンを迎え、邦人旅行者をはじめ、
多くの旅行者が同地域を訪れています。
 同地域は、昨年5月に発生した大規模な地滑りにより、ゴジャール地方アッタバード周辺に巨大な湖が
でき、フンザ中心地域と北方の上フンザとの間のカラコラム・ハイウェイが通行不能となりました。現在も
修復等復旧工事は進んでおらず、車両・人を極めて不定期に運行される大型バージで「湖」の区間を輸送する
状況が続いています。カラコラム・ハイウェイの他の地域においても、一部区間において路面の状況が劣悪な
場所があります。

2.また、同地域は海抜2千メートル程度と標高が高いため、昼夜の気温の寒暖差が激しいほか、道路の整備
状況も悪く、長時間の車両による移動は身体に負担がかかるため、体調管理には十分注意する必要があります。

3.さらに、同地域はパキスタンの中では治安は比較的安定していますが、これまでもイスラム教シーア派と
スンニ派の宗派間抗争等による銃撃事件や爆弾テロ事件が発生しており、過去にはこうした衝突により商店に
火がつけられ、住民が暴徒化した事態も発生しています。ギルギットでは、厳しい検問を含め市内各所で警戒措置がとられています。観光地ではあるものの、滞在にあたっては十分な注意が必要です。

4.ギルギット・バルチスタンの東部の管理ライン沿い等や、西方・南方のハイバル・パフトゥンハー州内の
多くの地域は退避勧告の危険情報が発出されていますので、くれぐれもご留意願います。また、トレッキングを含め、パキスタン側の指定する「規制地域」に立ち入る際には、必ず当局の定める手続きに従い、事前の許可を取り付ける必要があります。

5.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、累次「大使館からのお知らせ」にてお伝えしているとおり、不測の事態に巻き込まれることのないよう以下諸点について十分な注意を払い、最新の情報に留意するなど、個々人における安全対策に心掛けてください。また、日程には余裕を持ち、フライト・キャンセルの場合も、長距離の陸路移動に頼ることなく、フライト再開を待つことができるようなアレンジをおすすめします。

(1)不特定多数の人が集まる場所には、決して近づかない。特に、テロの標的となり得る施設(政府・軍関連施設、聖者廟などの宗教関連施設、欧米関連施設等)及び検問所や警備関係者が多数集まる場所にはできるだけ近づかない。
(2)買い物はできるだけ日中に済ませ、夜間など人が多く集まる時間帯のマーケットの利用はできるだけ避ける。
(3)移動はできるだけ明るい時間帯に行い、夜間の移動は極力控える。特に、幹線道路であっても、夜間の長距離移動は極力避ける。
(4)旅行日程はできるだけ十分な移動時間をあて、無理のないスケジュールを組むよう留意する。
(5)散策やトレッキングなど長時間行う場合には、自身の体力に見合ったコース、距離、時間等選択するよう注意する。
(6)見た目は安全に見えても、思わぬ危険が潜んでいる可能性もある。土地勘のない場所での行動には細心の注意を払うほか、単独での行動は絶対に避けるよう注意する。
(7)緊急事態が発生した場合、自らの安否や所在については、家族又は勤務先に至急一報することが重要。携帯電話がある場合は、日頃から携帯電話を常時携行し、家族、勤務先又は大使館等の番号を予め携帯電話に登録しておく。
(8)山間部では激しい降雨により土砂崩れや山崩れが発生することがある。山道の走行は転落事故も多発しますので、できるだけ避けた方が賢明。