2011年6月6日月曜日

ハイバル・パフトゥンハー州で発生した爆弾テロ事件に関する注意喚起

1 6月5日、ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル市近郊において、バス停に仕掛けられていたと見られる爆発物、又は旅客バンに仕掛けられた爆発物が爆発し、少なくとも6名が死亡、11名が負傷した旨報じられています。

2 また、6月5日、同州ノウシェラ郡において、パキスタン政府軍関係者居住区のパン屋で自爆と見られる爆弾テロ事件が発生し、18名が死亡、40名が負傷した旨報じられています。また、本事件について、パキスタン・タリバーン運動(TTP)が犯行声明を出したとの報道もあります。

3 両事件の詳細は未だ不明ですが、同州ペシャワル市においては、5月20日午前、米国総領事館の車両を標的とした爆弾テロが発生(1名が死亡、米国人2名を含む11名が負傷)(5月23日付スポット情報「パキスタン:ウサマ・ビン・ラーディン殺害に伴うテロに関する注意喚起」参照)し、上記パキスタン・タリバーン運動(TTP)が「北大西洋条約機構(NATO)の全加盟国の外交官が標的だ。我々は更なる襲撃を続ける。パキスタンが第一の標的で、米国が第二である。」旨の犯行声明を出した旨報じられています。

4 また、当地報道によれば、非合法武装組織ハルカトゥール・アル・ジハード・イスラム(HuJI)指導者で、アル・カーイダ(AQ)とも深い関係を持つとされるイリアス・カシミーリーが、6月3日夜、連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区で米無人偵察機の攻撃により死亡した模様であり、HuJIは米に対する報復を宣言する等、今後TTPを含む武装勢力各派の報復テロが懸念されます。

5 これまでも、パキスタン政府軍による過激派武装勢力に対する軍事掃討作戦への報復や余波とみられるテロ事件がペシャワル、マルダン、チャルサダ、スワビ、ノウシェラ等において頻発しているところであり、ウサマ・ビン・ラーディン殺害により、更なる治安の不安定化が懸念されています。特にハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル近郊において、テロ事件が頻発している状況です。

6 パキスタンにおいては、ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル郡に対して、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)を発出しています。
また、アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)全域及び郡隣接部族地域(継続)並びにハイバル・パフトゥンハー州スワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ-ル郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、ラッカ郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡に対して、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」を発出しています。

7 ついては、上記退避勧告地域に滞在されている在留邦人の方は、直ちに国内外の安全な地域へ退避するよう強く勧告します。また、同地域への渡航は、目的の如何を問わず延期するよう、強く勧告します。

7 なお、ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル郡に真にやむを得ない理由で残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策を講じるよう強く勧告します。

10 また、ハイバル・パフトゥンハー州ノウシェラ郡のように、退避勧告を発出している地域以外の地域であっても、上記退避勧告地域での動きと連動する形でテロの脅威が及ぶこともあります。特に、幹線道路で同退避勧告地域の軍事作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、同退避勧告地域の情勢にも注意し、安全対策への配慮をお願いします。