デング熱の流行に伴う注意喚起
1.報道によれば、パンジャブ州及びシンド州を中心に、デング熱に感染した患者が急増しており、これまでに2000名程が感染した旨報じられています。
デング熱の致死率は1%以下と言われていますが、デング熱患者の一部は重症化して、出血傾向がみられる「デング出血熱」となることがありますので、十分注意が必要です。
現在、シンド州周辺にて洪水被害が出ていますが、洪水により蚊などの病害虫が大量発生しやすい環境になるので、デング熱のさらなる感染拡大が懸念されています。
2.「デング熱」について
(1)デング熱ウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることによって感染する。
(2)2~15日(通常は2~7日)の潜伏期を経て、突然の発熱で始まる。熱は38~40度程度で5~7日間持続し、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹を伴う。
(3)予防接種や予防薬はなく、特別な治療方法はない。
3.予防方法
上述のとおり、デング熱は「蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)」が媒介して感染します。ネッタイシマカは、日の出から日没までの昼間に活動しますので、外出される際は蚊除け対策が重要となります。予防接種や予防薬は現在のところありませんので、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防対策となります。
つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、以下の点にご留意ください。
(1) 蚊の発生源となる溜まり水を処理し、蚊の発生を予防する(デング熱を媒介する蚊は、都市部の側溝、水たまり、植木鉢の水受け、空き缶に溜まった水でも発生するため、都会で流行することも多い病気です。)
(2)蚊取り線香等の駆除手段を用いる。
(3)外出の際は肌の露出を避け、虫除けスプレー等を使用する。
(4)感染の疑いがある場合には、速やかに病院で診察を受ける。
(5)身体の抵抗力を高めるため、栄養と睡眠を十分に摂る。
○参考情報:
厚生労働省検疫所「デング熱」
http://www.forth.go.jp/archive/tourist/kansen/09_dengu.html
国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:デング熱」
http://idsc.nih.go.jp/disease/dengue/index.html
国立感染症研究所「デングウイルス感染症情報」
http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/dengue.htm