1.報道によれば、27日午後、ラホール市内において、オートバイに乗車した銃器武装の男2人が、米総領事館員の乗車した車輌に対する強盗(ガン ポイント)事件が発生しました。現時点では詳細は不明ですが、乗車していた同館員が車中から応射を行い、犯人を射殺の上、現場から離脱する際、通行人を車 で轢いて死亡させた模様です。
2.当地においては、自動車に対する銃器を使用した強盗事件が多発しており、強盗の目的物も自動車そのもの、金品、車輌積載物等様々であり、また、犯行形態も銃器を所持の上、オートバイや自動車を利用したり、信号待ちや家屋からの入出時を狙う等々、その手法は様々です。
3.また、本件事件では、同館員が使用した銃器は不法所持の可能性が高いこと等に加え、死亡した通行人は何ら落ち度のない一般市民である可能性が高いことから、パキスタン全土において反米行動が発生する可能性が懸念されています。
4.つきましては、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件はじめ不測の事態に巻きこまれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。
(1) テロの標的となりやすい場所(米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設、軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所 等)、国連関係機関、政府機関)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(2)交通量の多い道路を利用する場合は周囲の状況に注意し、仮に不審な車両や人物を確認したら、速やかにその場から離れるか、安全な場所に停車する。
(3)やむを得ず夜間に自動車で移動する場合には、可能な限り単身での移動は控え、街灯があり、見通しの良い道を選んで移動する等十分注意する。
(4) 仮に不幸にも強盗に遭遇したら、「命よりも大切なものはない」、「犯人は銃器を所持している」との認識のもとで犯人を刺激しないよう留意し、急激な動作 (胸ポケットに手を入れる、逃げる、大声を出す等)をしないようにしましょう。所持金品に執着を示すことは思わぬ結果を招くことになりますので、特にご留 意ください。所持金は分散し、「捨て金」を準備しておくことも一案です。
万が一、強盗に遭遇してしまった場合に落ち着いた行動がとれるよう、日頃からイメージトレーニングをしておくことが大切です。