2011年7月28日木曜日

ハイバル・パフトゥンハー州への渡航に関する注意喚起

1 当地の一部報道によれば、「ハイバル・パフトゥンハー(KP)州へ渡航するすべての外国人は、渡航に際し、事前に当国政府の通行許可(No Objection Certificate,NOC) の取得が必要であり、仮に許可なく渡航した場合には、治安当局が拘束する可能性もある」旨報じられています。また、NOCを取得することなく同州に立ち入った一部諸国の外交官等が、警察当局に一時的に拘束される事案が発生しており、当国政府当局による規制強化の状況が伺えます。

2 「本件報道は事実であり、KP州に入域するすべての外国人はNOCの取得が必要となる」旨の情報もありますが、依然、当国政府当局からは何らの通報もなく、その範囲や手続の詳細は不明のままです。

3 今後、本件措置に係る事実関係が判明次第、改めて注意点をお知らせいたしますが、KP州への渡航を含め、当国内を移動する場合には、旅券や身分証明書など、自身の身分を証明できるものや、入国及び滞在が合法的なものであることの判断基準である当国滞在査証を速やかに提示できるよう、必ず携行することを心掛けてください。また、従来の手続で必要とされる証明書(規制地域へのトラッキング許可証など)についても、必ずこれを取得の上、常時携行を徹底願います。

 なお、理由の如何を問わず、当局の拘束を受けた場合には、速やかに大使館領事警備班までご連絡ください。

4 また、現在、パキスタン政府軍による過激派武装勢力に対する軍事掃討作戦がクーラム管区をはじめ、連邦直轄部族地域(FATA)の各地において継続しており、同作戦に対する報復や余波とみられるテロ事件が発生しているほか、ウサマ・ビン・ラーディン殺害により、予断を許さない緊迫した状況が続いています。

 こうした現状を受け、我が国政府は、ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル郡について、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)を発出しています。

また、アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)全域及び郡隣接部族地域、並びにハイバル・パフトゥンハー州スワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ-ル郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、カラック郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡に対して、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」を発出しています。

5 ついては、現状の治安情勢に鑑み、上記退避勧告地域への渡航は、目的の如何を問わず厳に差し控えてください。仮に、真にやむを得ない理由で活動乃至は残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策を講じるよう強く勧告します。