1.7月30日当地報道によれば、パキスタン・タリバン運動(TTP)は、7月1日、バロチスタン州ローレライ地区で発生したスイス人男女2人組に対する誘拐を認めるとともに、「5月22日、カラチ市メヘラン海軍航空基地に対して行った攻撃を、さらにパキスタン国内において実行する」旨、警告したと報じられています。
2.現在、ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する報復テロ事件、または、その余波とも思われるテロ事件が国内各地で発生しており、TTPはその関与したテロ事件において、過去に「北大西洋条約機構(NATO)の全加盟国の外交官が標的だ。我々は更なる襲撃を続ける。パキスタンが第一の標的で、米国が第二である」旨の犯行声明を出しており、パキスタン国内におけるテロ攻撃の敢行が懸念されています。
3.ついては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。
(1)テロの標的となりやすい場所(軍・警察等治安当局(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関、米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心がける。外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。
(2)パキスタンで各種事業を行う場合には安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等、十分な安全対策を講じる。
(3)車両等にて長距離を移動する場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選ぶとともに日没後の移動は極力避け、また、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近の立ち寄りは避ける。郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には十分な警備体制をとる。
(4)誘拐予防のためには自らの身は自らが守る心構えを持ち、誘拐の危険度に応じた対策(通勤時の安全対策、住居の警備強化、日常行動上の注意等の総合的な対策)をとることが重要。特に(イ)目立たない、(ロ)用心を怠らない、(ハ)行動を予知されない、という3原則を守るとともに、日頃から行動パターン(通勤時間、使用する道路や施設)を常に変え、狙われにくくすることが大切。
(5)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。