2010年9月9日木曜日

イード休暇に伴う注意喚起

1. 9月1日及び同6日付「大使館からのお知らせ」のとおり、パキスタンではイード(Eid-ul-Filtrに係る休日が9月10日(金)から13日(月)までの4日間と決定されました。本休日に伴い、パキスタンでは多くの市民が帰省等のため自宅を留守にしますが、この留守宅をターゲットにした「空き巣狙い」が毎年多発するので十分注意するよう、当地治安当局より注意喚起がありましたので、お知らせします。ついては、以下の注意点に十分留意の上、危険回避に努めて下さい。

(1)留守宅目的であったとしても、住民の在宅が分かれば「居直り強盗」となる可能性は高い。留守時はもちろんのこと、在宅時であっても必ず施錠をする。また、老朽化等により鍵が緩んでいないか、確実に施錠・ドアロックができているか再確認する。

(2)来訪者がきた場合、門・ドアを開ける前に必ず相手の人定事項を確認する。水道・電気の修理人や集金人、警察官等に扮している場合もあるので、十分な注意が必要。確認が取れる前には決して開扉しない。警備員がいる場合には、事前に来訪者の人定事項を確認させた上、開扉の可否につき、報告するよう指導する。

(3)不幸にして強盗にあった場合には、被害を大きくしないためにも決して抵抗しない。

2. 9月1日に発生したパンジャブ州ラホール市内イスラム教シーア派宗教施設における連続爆弾テロ事件、9月3日に発生したバロチスタン州クエッタ市内中心部における同シーア派団体主催宗教行事を標的とした爆弾テロ事件等、シーア派関連施設や宗教行事をターゲットとしたテロ事件が頻発しています。上記2件のテロ事件については、スンニ過激派武装勢力であるラシュカレ・ジャングビ(LJ)及びパキスタン・タリバン運動(TTP)が犯行声明を出しており、パキスタン国内に混乱をもたらすことが目的と見られています。ついては、ラマダン月が終わりイード休日前後において市民の混雑や移動が予想される中、イスラム教関連宗教施設や宗教行事が標的となるテロ事件の発生が懸念されます。

3. また、9月11日には米国同時多発テロ事件発生から9年目となりますが、報道によれば、米国フロリダ州の教会が同日にイスラム教の聖典である「コーラン」を焼却する計画を明らかにしているとのことです。これに伴い、イスラム教徒の多い国々では抗議集会が発生しており、この計画が実行されるか否かを問わず、パキスタンでも抗議集会やデモ、また教会等、非イスラム教宗教関連施設や米国権益関連施設を対象としたテロ事件が発生する可能性は否定できません。

4. ついては、在留邦人の皆様におかれては、米国関連施設や宗教施設・宗教行事を狙ったテロ事件はじめ不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。また、パキスタン各地に「退避を勧告します。渡航は延期して下さい。」を含む渡航情報(危険情報:海外安全ホームページwww.anzen.mofa.go.jp 参照)が発出されているほか、累次「大使館からのお知らせ」にて注意喚起している内容も再度御確認ください(過去の「大使館からのお知らせ」バックナンバーは、当館HPwww.pk.emb-japan.go.jp)からも参照可能です)。

また、9月1日付け「大使館からのお知らせ(ラマダン月の最終金曜日・イード休暇及び感染症(ウイルス性流行性角結膜炎)に関する注意喚起)もご参照下さい。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設、軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。

(2)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。買い物等、外出時の行動は極力短時間とする等、十分な安全対策を講ずる。

(4)検問所付近に待機車両が渋滞となるケースが散見されるが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける。

(5)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所乃至は施設があるか、詳細を承知しておくことも重要。

  以上