2010年9月17日金曜日

誘拐事件等当地治安情勢に関する注意喚起

1.先般、アフガニスタンで発生した邦人誘拐事件の発生を受け、17日、渡航情報(スポット情報)「アフガニスタン:邦人誘拐事件の発生に伴う注意喚起」が発出されました。本スポット情報については、海外安全ホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2010C290)をご参照下さい。

2.現在、パキスタンにおいて外国人に対する誘拐及びテロ事件等の具体的な脅威情報には接しておりませんが、現在の治安情勢に鑑み、同種事件発生の可能性は否定できません。ついては、累次発出しております渡航情報(スポット情報)の「パキスタン:テロや誘拐に巻き込まれないための基本的心構え(2009年10月19日付、http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2009C335&ST=M")」 及び「パキスタン:テロや誘拐に巻き込まれないための基本的心構え(その2:最近のテロの手法や傾向)(2009年10月27日付、http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2009C345&ST=M" )等をご参照の上、今一度自身の安全対策を再確認して下さい。

3.現在、当国で7月末より発生している洪水災害により、NGO等多数の援助関係者の方々がパキスタン各地で活動しています。8月27日付渡航情報(スポット情報)「パキスタン:援助関係者を標的としたテロ攻撃に関する注意喚起」(http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2010C265&ST=M" )でもご案内したとおり、パキスタン・タリバーン運動(TTP)が洪水被害に対応して行われている援助活動に参加中の外国人を対象に、何らかのテロ攻撃を計画しているとの報道もありますので、同援助関係の方々におかれては、外務省海外安全ホームページ(www.anzen.mofa.go.jp)及び当館ホームページにおける「大使館からのお知らせ」バックナンバー(www.pk.emb-japan.go.jp)等を頻繁にご参照頂き、最新の情報を常に入手するよう心がけて下さい。

4.また、インダス川西岸の国道55号線(注)沿いについては、現在、情勢が不安定であり、治安状況が流動的であるとの情報があります。ついては、渡航情報・危険情報「退避を勧告します。渡航は延期して下さい。」が発出されている地域に立ち入らないことはもちろんですが、それ以外の場所であっても、長時間の滞在は避け、短時間の滞在でも周到な警護の手配をされるよう、お勧め致します。(注:ハイバル・パフトゥーンハー州ペシャワールから南下し、コハート(7日に爆弾テロ事件が発生)、ラッキ・マルワット(6日に自爆テロ事件が発生)近郊、デラ・イスマイル・ハーンを経てパンジャブ州に入り、デラ・ガジ・ハーン、ジャムプール、ラジャンプールを経てシンド州に至る地域。)

5.ついては、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件はじめ不測の事態に巻きこまれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。また、上記で述べた通り、パキスタン各地に「退避を勧告します。渡航は延期して下さい。」を含む渡航情報(危険情報)が発出されているほか、累次「大使館からのお知らせ」にて注意喚起している内容も再度御確認ください。

(1)パキスタンの各地において誘拐事件が発生している。誘拐予防のためには、自らの身は自らが守る心構えを持ち、誘拐の危険度に応じた対策(通勤時の安全対策、住居の警備強化、日常行動上の注意等の総合的な対策)をとることが重要。特に海外で安全に暮らすためには、①目立たない、②用心を怠らない、③行動を予知されない、という3原則を守る。日頃から行動パターン(通勤時間、使用する道や施設)を常に変え、狙われにくくすることが大切。
(2)テロの標的となりやすい場所(米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設、軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(3)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。
(4)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。買い物等、外出時の行動は極力短時間とする等、十分な安全対策を講ずる。
(5)検問所付近に待機車両が渋滞となるケースが散見されるが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける。
(6)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所乃至は施設があるか、詳細を承知しておくことも重要。