2010年10月4日月曜日

ラワルピンディ市におけるNATO軍補給物資輸送車両に対する襲撃事件の発生に伴う注意喚起

1.10月4日未明、ラワルピンディ市のGTロード沿いに位置するDHAフェーズⅡ地区に
おいて、アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(NATO)軍に補給する物資を運ぶ
燃料輸送トラックやタンクローリーの車列に対し、複数の過激派武装勢力が銃撃した後、
輸送車両24台余りに放火する事件が発生しました。この襲撃により、少なくとも6人が
死亡、12人が負傷した模様です。

2.10月1日付「大使館からのお知らせ」でもお伝えしているとおり、9月30日のNATO
軍による越境攻撃により、パキスタン国内における反欧米感情の高まりを受け、パキスタン政府は
パキスタン・アフガニスタン国境における同軍補給路を遮断する等の対応をとっています。
他方、10月1日、シンド州シカルプル地区においても同様の襲撃事件が発生しており、
パキスタン・タリバン運動が米国領内での攻撃を含むさらなる攻撃を行う旨犯行声明を
出しています。

3.アフガニスタンに駐留する米軍やNATO軍は、補給物資の多くをパキスタン経由で
確保しており、物資を搬送する車列はこれまでも頻繁に武装勢力に狙われています。
従来はペシャワル近郊を中心としたハイバル・パフトゥンハー州内での攻撃が一般的でしたが、
最近ではパンジャブ州域でも多数発生しています。

4.治安当局は厳戒態勢を敷いてセキュリティーチェックを実施しています。今次事件の
犯行主体は不明ですが、こうした情勢を踏まえ、引き続き過激派武装勢力による犯行の可能性は
否定できません。改めて下記5(5)につきご注意願います。

5.ついては、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることの
ないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に
心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。
 また、「大使館からのお知らせ」にて注意喚起している内容も再度御確認ください(過去の
「大使館からのお知らせ」バックナンバーは、当館HPwww.pk.emb-japan.go.jp)からも参照
可能です)。

(1)テロの標的となりやすい場所(軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係
機関、政府機関、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設)
にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(2)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。
(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、
常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。
(4)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所乃至は
施設があるか、詳細を承知しておくことも重要。
(5)GTロードなど幹線道路であっても夜間の長距離移動は極力避け、移動にあたっては
できるだけ明るい時間帯を選ぶよう注意する。その際も、トラック、デポ(多数のトラックが
駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。