2010年10月6日水曜日

パキスタン治安情勢:誘拐・テロの危険性について

1.当地報道によれば、テロ組織アル・カーイダ(AQ)とパキスタン・タリバン運動(TTP)が外交官の誘拐を企図している旨報じています。
 当地治安関係者からの情報によれば、イスラマバード、ラホール及びペシャワル等において、アーフィア・シディーキ被告に対する米地裁判決の報復として女性外交官等を狙った誘拐を企図している旨の情報に接しており、警戒レベルを引き上げ、安全対策を講じているとのことです。

2.これまで、パキスタン国内各地において爆弾テロや外国人を狙った誘拐・殺人事件が発生している旨累次お伝えしておりますが、在留邦人の皆様におかれては、改めてテロ事件や誘拐事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の諸点につき引き続き十分な注意を払い、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。

(1)テロの標的となりやすい場所(政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設)にはできる限り近づかないでください。
(2)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてくだ   さい。
(3)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける、
(4)誘拐を防ぐためには、例えば次のような対策をとることが有用です。
(イ)日常の行動パターンを画一化しない。通勤や買い物等に同じ経路や時間帯を使うのではなく、数パターンに使い分ける。
(ロ)行動予定を多くの人に知られないようにする。
(ハ)服装面で目立たないよう注意する。
(ニ)買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動することをお勧めします。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く察知し、速やかにその場から離れることが可能となります。
(ホ)乗車の際には必ずドアを施錠するか、わずかの隙間だけ開けるように心掛けてください。これにより、例えば、交差点で停車した際、容易にドアを開けられて外へ引きずり出されるのを防ぐことができます。
(ヘ)人目の少ない場所はできるだけ避ける。
(ト)外出中は周囲に不審者、不審車両がいないか確認し、尾行や監視がないか注意する。
                                                                           以上