在留邦人の皆様へ
平成25年9月5日
在パキスタン日本国大使館
大使館からのお知らせ
予想されるデング熱の流行に関する注意喚起
例年、降雨量の増加する9月以降、パンジャブ州を中心にパキスタン国内全域の大都市部でデング熱が流行します。現在までのところ、大規模なデング熱の流行はまだ確認されておりませんが、今年も例年同様にデング熱が流行する可能性が考えられることから、パンジャブ州関係当局および感染症の専門家が注意を呼びかけています。
つきましては、デング熱に関する予防方法等の関連情報を以下の通りご案内させていただきますので、皆様の日頃の生活にお役立ていただければ幸いです。なお、感染による具体的な治療方法等につきましては、専門の医療機関にご相談下さい。
1.「デング熱」について
(1)デング熱ウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることによって感染する。
(2)2~15日(通常は4~7日)の潜伏期を経て、突然の38~40度程度の熱で発症する。発熱は4~8日間持続し、頭痛、関節痛、筋肉痛、眼窩痛、倦怠感を伴う。熱の下がる頃に、痒みを伴ったハシカ様の発疹が胸部や四肢に広がることがある。通常、これらのデング熱の症状は1~2週で後遺症なく軽快する。
(3)パキスタンにおけるデング熱の致死率は1%強である。
(4)予防接種や予防薬はなく、特効薬もない。
(5)過去にデング熱に感染した人が2回目に感染すると、重症化しやすいといわれている。
2.予防方法
蚊に刺されないようにすることが唯一の予防対策となりますので、以下の点にご留意ください。
(1)デング熱は「蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)」が媒介して感染します。これらの蚊は、主に日中(特に明け方と夕暮れの数時間)に活動しますので、日中に外出される際は蚊除け対策が重要です。
(2)生活環境の蚊の発生源となりうる溜まり水を処理し、蚊の発生を予防する(デング熱を媒介する蚊は、都市部の側溝、水たまり、植木鉢の水受け、空き缶に溜まった水で短時間で発生するため、雨期の都市部で流行することが多い。)
(3)流行時期の流行地域では、蚊取り線香等の防虫手段を用いる。
(4)外出の際は肌の露出を避け、虫除けスプレー等を使用する。
(5)感染の疑いがある場合には、速やかに医療機関を受診する。
(6)身体の抵抗力を高めるため、栄養と睡眠を十分に摂る。
○参考情報:
外務省「在外公館医務官情報」(各論3「デング熱」)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/kakuron03.html
国立感染症研究所感染症情報センター「感染症の話:デング熱」
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_50/k04_50.html
厚生労働省検疫所「デング熱」
http://www.forth.go.jp/topics/fragment4.html
アメリカ疾病管理予防センター(CDC):Yellow Book デング熱(英文)http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2012/chapter-3-infectious-diseases-related-to-travel/dengue-fever-and-dengue-hemorrhagic-fever.htm