2010年8月13日金曜日

バロチスタン州の治安悪化に伴う渡航延期のお願いについて

1 バロチスタン州各地においては、従来から,パキスタンからの独立を目指す勢力や,同州からの自治獲得を目指す勢力等の反政府闘争が続いていることもあり,同州内は,極めて不安定な治安状況となっています。

2  州都クエッタ市をはじめとする州内各地では,治安機関に対する攻撃事件や他州からの移住者を狙った暗殺事件も多発している他,同州からアフガニスタンへ の通行ルートである各ハイウェイにおいても,米国やNATO駐留軍への補給物資輸送車両が襲撃される事件が多発しています。また,アフガニスタン及びイラ ン国境沿いの地域においては、薬物組織や武装組織が活発に活動しているとされています。

3  更に,昨年クエッタ市で米国人の拉致事件が発生した他、イランへ向かうハイウェイにおいて仏人が拉致されるなど、外国人が標的とされる拉致事件も発生し ています。また、2007年にはハブにおいて中国人エンジニアが爆弾テロの標的となった他、今年7月にはグワダル市のPCホテルがロケット弾による攻撃を 受けるなど、外国人もテロ攻撃の標的となっています。

4 これらの状況を踏まえ,今般,パキスタン外務省より,各国外交団,更にはパキスタンに在留する全ての外国人に対し,バロチスタン州への訪問を極力控えるようにとの通知(8月10日付)が当館に接到しました。

5  ついては,在留邦人の皆様におかれましては,これら治安状況等を十分ご勘案の上,バロチスタン州への渡航を極力差し控えるよう宜しくお願いします。な お、バロチスタン州においては、日本の外務省より,アフガニスタンとの国境付近一帯に「退避を勧告します」、イランとの国境付近一帯、デラ・ブグティ郡、 コールー郡、クエッタ市に「渡航を延期してください」、その他の地域に「渡航の是非を検討してください」の危険情報がそれぞれ発出されていますので、同地 域への渡航情報にも十分ご留意下さい。