1.当地英字紙において、パキスタン・タリバン運動(TTP)、ジュンドゥッラー集団及びその他非合法ミリタント組織が以下のテロを計画しているとの報道が見られます。
(1)ラマダン期間中におけるカラチ、イスラマバード、ラワルピンディ、ラホール及びその他パンジャブ州の都市における大規模テロ
(2)外国人、各国大使館等に対するテロ
(3)シーア派聖職者及びシーア派聖者廟に対するテロ
(4)パンジャブ州オカラ郡警察署に対する自爆テロ
(5)パンジャブ州内における標的殺人
(6)MQM指導者及び集会に対するテロ
また、テロの手段として、80キロの爆発物を積載した自動車爆弾による自爆テロ、パンジャブ州警察スペシャルブランチから盗まれたオートバイを利用したテロ、標的殺人等の可能性が挙げられています。
2.上記報道に関しては、必ずしも具体的な根拠は確認されていませんが、洪水による社会的な混乱に加え、ラマダン及びラマダン明けのイード休みという「パ」社会における大きな行事が行われる中、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。
(1)所在地におけるテロ事件の発生状況、発生の可能性の有無等、テロ事件に巻き込まれるおそれがないかについて、あらかじめできるだけ具体的に承知しておく。テロの標的となりやすい場所(軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(2)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。
(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。
(4)ホテルのフロント等不特定多数の人の立ち入りが容易なところでの滞在時間は最小限とするよう心掛ける。
(5)現在の治安情勢を踏まえ、警察当局は厳戒態勢を敷いて対応しており、検問所において車両のセキュリティーチェックを厳重に実施している。右により検問所に待機車両が渋滞となるケースが散見されるが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける等心掛ける。
(6)最近の傾向として、テロリストが治安関係者の制服を着用してテロを実行するケースが増加している。自宅及び勤務先の警備員に対しては、不審者の侵入を避けるため、不用意に侵入させることのないよう、来訪者に対しては必ず氏名、所属先、用件等を確認するよう徹底する。
(7)緊急事態が発生した場合、自らの安否や所在につき家族又は勤務先に至急一報することが重要。携帯電話がある場合は、日頃から携帯電話を常時携行し、家族、勤務先又は大使館等の番号をあらかじめ携帯電話に番号登録しておく。
(8)パキスタンでは治安情勢が急激に悪化する可能性が高い。余儀なく自宅又は勤務先等に留まらざるを得ない状況も想定されるので、少なくとも3日~1週間程度外出しなくともすむよう日頃から食料品、飲料水及び発電機用燃料等を保管すること。ホテルに宿泊される方も、可能な限り予備の飲食物を確保すること。