2011年11月29日火曜日

ムハッラム月及び宗教行事に関する注意喚起

1 11月27日(日)※よりムハッラム月(イスラム歴1月)となり、12月5日(月)※及び6日(火)※(ムハッラム月9日及び10日(アシュラ))は、イスラム教シーア派の宗教行事が行われる予定となっております。
(※月の見え方により、日程が前後する可能性あり。)


2 この宗教行事に際して、パキスタン国内各地でシーア派のイスラム教徒による大規模な行進が行われ、過去には、行進の列を狙ったテロ、この宗教行事を巡った宗派間衝突が度々発生しており、多数の死傷者が出ております。
  本行事に関して、最近発生したテロ・衝突は以下のとおりです。
【2007年1月】
 ・ 行進の列を狙った爆破テロ、15名死亡、30名負傷(ペシャワル)
 ・ シーア派モスクに対するロケット攻撃、11名負傷(バヌ)
【2008年1月】
 ・ シーア派モスクでの自爆テロ、8名死亡、20数名負傷(ペシャワル)
【2009年1月】
・ シーア派とスンニ派間の衝突、36名死亡・数十名負傷(ハングー)
【2009年12月】
 ・ シーア派モスクでの自爆テロ、5名死亡・81名負傷(ムザファラバード)
・ 行進の列を狙った自爆テロ、20名死亡・60名負傷(カラチ)
【2010年12月】
 ・ 行進の列を狙った手りゅう弾による襲撃、1名死亡・26名負傷(ペシャワル)


3 つきましては、ムハッラム月、特にアシュラの期間中は、モスク等の宗教施設及びこの様な宗教行事が開催されている場所には近寄らないよう注意するとともに、興味本位で見物することはお控えください。
また、累次「大使館からのお知らせ」にて注意喚起している内容を再度確認いただき、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください(過去の「大使館からのお知らせ」のバックナンバーは、当館HP(http://www.pk.emb-japan.go.jp)からも参照可能です。)。

アシュラに伴う当館休館日の変更について

パキスタン政府はアシュラ(Ashura)に係わる休日を、12月5日(月)及び6日(火)の2日間とする旨発表しました。

 これに伴い、当館も本来休館日としていた12月7日(水)及び8日(木)を開館日とし、代わりに12月5日(月)及び6日(火)を休館日と致しますので、お知らせします(12月3日(土)及び4日(日)は従来通り、週休日として休館致します。)

 なお、2011年の当館休館(予定)日は以下の通りですので、改めてお知らせします。

 12月 5日(月)~ 6日(火)   Ashura
12月29日(木)~31日(土)   年末休暇

2011年11月16日水曜日

カラチ総領事館からのお知らせ:カラチ市内聖者廟「アブドゥッラ・ガジ」における宗教行事開催に伴う注意喚起について

1 報道等によれば,明17日から3日間,カラチ市内クリフトン地区に所在するイスラム聖者廟である「アブドゥッラ・シャー・ガジ」において,聖者の命日祭(ウルス)が開催される予定となっています。国内各地から大勢の参拝者が開催期間中昼夜を問わず同聖者廟を訪れることから,同聖者廟及び周辺道路等はかなり混雑することが予想されます。

2 また,昨年10月7日午後6時50分頃,同聖者廟において,参拝者を狙った連続自爆テロにより,少なくとも9名が死亡,60名以上が負傷するテロ事件が発生しています。これらの状況を受け,警察は同命日祭に際し,同聖者廟周辺における検問の強化や爆発物処理班の派遣などの厳重な警備態勢をとることが報じられています。

3 つきましては,邦人の皆様におかれましては,深刻な交通渋滞やテロ等不測の事態に巻き込まれることのないよう最新の情報に留意しつつ,命日祭期間中は同聖者廟及び周辺地域には近づかないように十分注意してください。

2011年11月2日水曜日

Eid-ul Azha 期間中のクリミア・コンゴ出血熱への注意について

1.10月25日付報道によれば、イスラマバード市内の医療機関PIMSにおいて、ハイバル・パフトゥンハー州ハリプールの患者がクリミア・コンゴ出血熱に感染し死亡した旨報じられています。
 また、別の報道では、本年9月にクエッタの病院においても、アフガニスタンから搬送された患者を治療した外科医らが、クリミア・コンゴ出血熱に感染した旨報じられています。

2.クリミア・コンゴ出血熱は、ウイルス性の出血熱で、自然界ではウシ、ヒツジ、ヤギなどで感染サイクルが形成されており、マダニがこれらを刺すことにより伝搬していきます。これらの動物では感染しても症状はでませんが、ウイルスを持ったマダニにヒトが刺された場合、2~9日間の潜伏期間ののち、突然の高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐がみられ、重症化すると全身の出血(鼻出血、気道出血、口腔出血、消化管出血、皮下出血など)をきたすことがあります。ただし、ウイルスに感染しても発症率は20%程度と推定されており、さらに死亡率は15~40%(より高いとする報道もあります)とされています。

 感染経路は以下のとおりです。(空気感染は否定されています)

(1) ウイルスを持ったマダニに刺されたり、これをつぶしたりする。
(2) 感染した動物の血液や組織と接触して感染する。
(3) 感染者の血液や血液を混ずる体液や排泄物に接触する。

 つまり、流行地の羊飼い、野営者、農業従事者、獣医師等、家畜およびダニと接触する人や、医療従事者が感染リスクが高いと考えられます。保健当局は、対策として家畜にワクチンを接種したり、ダニを殺す殺虫剤を家畜に使ったりしていますが、すべての家畜に対策が行われているわけではありません。

3.クリミア・コンゴ出血熱は、南アジア、中央アジア、中近東、アフリカに広く分布しており、パキスタンでは1976年以来、約300例が報告されています。パキスタン国内では、毎年、FATA、ハイバル・パフトゥンハー州、シンド州などで報告が確認されており、2000年以降は報告数が急増し、牧畜業者や精肉業者、医療従事者を中心に年間50-60例が報告されています。ラワルピンディでは、昨年9月にホリー・ファミリー病院でクリミア・コンゴ出血熱に感染した牧畜業の患者の治療にあたった9人の医療従事者が、クリミア・コンゴ出血熱に感染した旨報じられています。

4.都市部における日常生活では感染リスクはほとんどないと考えられますが、11月7日、8日のEid-ul Azha(犠牲祭)期間中には、多くの家畜が都市部に持ち込まれ屠殺が行われるため、クリミア・コンゴ出血熱への感染リスクが高まるものと懸念され、当地当局も注意を呼び掛けています。
 つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、以下の諸点につき十分注意してください。
 なお、万が一、上記2.のような症状があり、感染が疑われるような場合には、お早めに信頼のおける医療機関、もしくは当館医務官等にご相談いただくようお願いいたします。

(1)家畜や牧畜業者との接触、農場や牧場でのキャンプやピクニックを避ける。
(2)鼻血が止まらないなど、出血傾向と考えられる症状のある人には近づかない。
(3)医療機関へ行く場合には、なるべく他の患者や入院病棟、血液の付着している可能性
のある廃棄物などには近づかない。
(4)野生動物にはむやみに手を出さない。

 特に、Eid-ul Azha期間中には、

(1) 家畜屠殺には立ち会わない。立ち会わざるを得ない場合には、虫よけ対策をとり家畜に付着しているダニには決して触れたり、つぶしたりしない。
(2) 自分では家畜の屠殺・解体はしない。やむなく自身で屠殺・解体する場合にはゴム手袋にゴーグルをし、家畜の血液や体液が体に付着しないようにする。屠殺・解体を見学する場合にも家畜の血液や体液が付着しないように十分な距離をとる。屠殺の終わった後も、屠殺の行われた場所には近づかない。
(3) 屠殺された新鮮な家畜の肉には感染性があるため、触れないようにする。やむなくこれを調理する場合には、ゴム手袋をするなど生肉に直接触れないように心がけ、火を通して調理する(ウイルスは屠殺後数時間で失活し感染性を失いますので、衛生的な精肉店の店頭の肉は安全と考えられます)。
(4) 生乳は飲まない。