2010年11月26日金曜日

感染症広域情報の発出(鳥インフルエンザの流行状況について)

1.最近の流行状況
 2003年11月以来、アジア、欧州、中東、アフリカなどの広い地域において高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生しています。現在も引き続き、世界各地でトリからトリへの感染やトリからヒトへの感染が確認されていますので、御注意ください。最近の感染状況は以下のとおりです。
(1)ヒトへのH5N1型鳥インフルエンザ感染状況
 2010年3月8日以降、世界保健機関(WHO)は、エジプト(カルユービーヤ県,カフルエルシェイク県,ダミエッタ県,ベニスエフ県,ファイユーム県、カイロ県)において8人が感染(6人死亡)、インドネシア(東ジャワ州,リアウ州,ジャカルタ特別州,中部ジャワ州,バンテン州,西ジャワ州)において7人が感染(6人死亡)、ベトナム(ハノイ,ビンズォン省、バックカン省)において4人が感染(1人死亡),中国(湖北省)において1人が感染(1人死亡),カンボジア(プレイベーン県)において1人が感染(1人死亡),及び香港において1人が感染したことが確認された旨発表しました。

 2003年以降でヒトへの感染が確認されている国は、以下のとおりです。
 (2010年11月19日現在:出典 WHO)
 インドネシア   感染者数 170人(うち、141人死亡)
 ベトナム     感染者数 119人(うち、 59人死亡)
 エジプト     感染者数 112人(うち、 36人死亡)
 中国       感染者数  40人(うち、 26人死亡)
 タイ       感染者数  25人(うち、 17人死亡)
 カンボジア    感染者数  10人(うち、 8人死亡)
 アゼルバイジャン 感染者数  8人(うち、 5人死亡)
 トルコ      感染者数  12人(うち、 4人死亡)
 イラク      感染者数  3人(うち、 2人死亡)
 ラオス      感染者数  2人(うち、 2人死亡)
 パキスタン    感染者数  3人(うち、 1人死亡)
 ナイジェリア   感染者数  1人(うち、 1人死亡)
 バングラデシュ  感染者数  1人(うち、 0人死亡)
 ミャンマー    感染者数  1人(うち、 0人死亡)
 ジブチ      感染者数  1人(うち、 0人死亡)
 計15か国 感染者数 508人(うち、 302人死亡)

(2)トリへのH5N1型鳥インフルエンザ感染状況
 国際獣疫事務局(OIE)は、2010年3月8日以降、バングラデシュ,ブータン,ブルガリア,カンボジア,中国,香港,インド,イスラエル,ネパール,ルーマニア,ロシア,ベトナムにおいて、トリへのH5N1型鳥インフルエンザの感染が確認された旨発表しました。また,我が国環境省は,2010年10月26日,北海道において野鳥からH5N1型鳥インフルエンザウイルスが検出された旨発表しています。 
現在までに、H5N1型鳥インフルエンザの発生が確認されている国・地域(63か国・地域)は以下のとおりです。

 アジア(17): インド、インドネシア、ブータン、カンボジア、タイ、韓国、中国、香港、日本、
        ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオス
 欧州(26):  アゼルバイジャン、アルバニア、イタリア、ウクライナ、英国、オーストリア、カザフスタン、
        ギリシャ、グルジア、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、スロバキア、
        セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、フランス、ブルガリア、ポーランド、
        ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルーマニア、ロシア
 中東(9):  アフガニスタン、イスラエル、パレスチナ自治区、イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、
        トルコ、ヨルダン
 アフリカ(11):エジプト、ガーナ、カメルーン、コートジボワール、ジブチ、スーダン、トーゴ、ナイジェリア、
        ニジェール、ブルキナファソ、ベナン

2.感染地域でトリに接触した日本人が、発熱や咳症状を発症して帰国した事例(結果的にはH5N1型ウイルスに感染していなかった。)も確認されていますので、鳥インフルエンザの発生国・地域では不用意にトリに近寄ったり触れたりせず、衛生管理にも十分注意してください。また、帰国時に高熱、咳症状がみられる場合には、検疫所の健康相談室にお申し出ください。帰宅後に同様の症状が現れた場合には、最寄りの保健所に相談し、感染地域に渡航していた旨をお知らせください。
 その他、感染地域滞在の注意事項については、「海外渡航者のための鳥インフルエンザに関するQ&A」を御参照ください。
http://www.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/sars_qa.html

3.各国・地域におけるヒトへの感染状況等の詳細については、以下を始めとする各在外公館のホームページを御参照ください。
 在インドネシア日本国大使館:http://www.id.emb-japan.go.jp/osh_bflu_idjky.html
 在ベトナム日本国大使館:
  http://www.vn.emb-japan.go.jp/index_jp.html
 在エジプト日本国大使館:
  http://www.eg.emb-japan.go.jp/j/consulate/birdflu/index.htm
 在中国日本国大使館:http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu_top_j.htm

(問い合わせ先)
 ○外務省領事局政策課
  電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2850
 ○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
  電話:(代表)03ー3580ー3311(内線)2902
 ○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp
                http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版
○鳥インフルエンザに関する情報(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html
 ○新型インフルエンザ対策関連情報(厚生労働省)
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○海外渡航者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)http://www.forth.go.jp
○高病原性鳥インフルエンザ(国立感染症研究所感染症情報センター)
  http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
○鳥インフルエンザに関する情報(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/
○Avian influenza(世界保健機関(WHO))
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
 ○国際獣疫事務局(OIE)
  http://www.oie.int/eng/en_index.htm

ロング・マーチに伴う注意喚起等について

1.27日午前10時より、イスラマバードのバリー・イマーム聖者廟からラホールのダーター・ダルバール廟まで、バレルビー学派によるロング・マーチが計画されています。
同ロング・マーチは、小規模かつ市街地を避けて平穏に行われると見込まれますが、参加者を増やしながら目的地を目指すため(途中からは車で移動)、騒擾事件等不測の事態が発生する可能性も排除できません。

2.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、ロング・マーチ及び各都市での抗議集会場所には決して近づかないようご注意いただくと共に、最新の情報にご留意ください。
 このほか、累次「お知らせ」でお伝えしている以下の諸点についても、引き続き留意しつつ、安全を確保するように十分注意してください。
(1)テロの標的となりやすい場所(政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設)にはできる限り近づかないでください。
(2)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。

Ⅱ 感染症広域情報の発出(鳥インフルエンザの流行状況について)

今般、外務省は「感染症広域情報の発出(鳥インフルエンザの流行状況について)」を発出しましたので、ご参考までにお知らせ致します。

2010年11月12日金曜日

イード休暇に伴う注意喚起について

1. 11月12日、パキスタン政府は、イード(Eid-ul-Azha)に係る休日を11月17日(水)から同19日(金)の3日間とする旨発表しました。
イード休暇の前後には、買い出しや帰省、Uターンのため、マーケット、銀行、空港付近は大変な混雑になることが予想されます。
 これら多くの人々が集まる場所は、スリやひったくりなどの一般犯罪被害にあうおそれがあるほか、車両の盗難・車上荒らしなど、駐車中の車に対しても十分な注意が必要です。

2. また最近では、カラチ市内において総領事館車両が被害を受けた強盗事件が発生するなど、金融機関への立ち寄り後に被害を受けるケースも報告されています。

3. つきましては、以下の点に十分留意の上、危険回避に努めてください。
(1)  夜間や早朝の外出は極力避ける。外出する場合は近い距離であっても車を利用し、短時間で効率的に、用事をすませることに心掛ける。
(2)  人の多く集まる場所では、貴重品はバックや上着、ズボンのポケットなど、盗まれやすいところには保管しないよう心掛けるとともに、携行品はいつも手から離さず、やむを得ず手を離しても体に密着するように置く。
(3)  車を駐車する場合は、警備員のいる駐車場を極力利用するとともに、車の乗降時は周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場から離れる。
(4)  車に乗り込んでいる間は必ずドアロックをして、すべての窓を閉める。また、人気のない場所を走行中は、他車との衝突や、パンクなどの故障が発生しても、そのまま走行して、なるべく停車しない。その後、明るくてたくさん人のいる場所に乗り入れて停車する。

4. なお、イード休暇の決定に伴い、当館も本来開館日と定めていた11月19日(金)を休館とし、休館日としていた11月23日(火)を開館しますので、お知らせします。
念のため、今後の2010年当館休館(予定)日は以下の通りですので、改めてお知らせします。

12月16日(木)  Ashura*
12月17日(金)   Ashura*
12月29日(水)   年末休暇
12月30日(木)   年末休暇
12月31日(金)   年末休暇

*:月の見え方により、ずれる可能性あり。

2010年11月6日土曜日

Eid-ul Azha期間中のクリミア・コンゴ出血熱への注意について

1.10月15日、パキスタン保健省はWHOに対し、今年に入りこれまでに26例のクリミア・コンゴ出血熱の感染例(うち3例死亡)を確認した旨報告しています。
WHOの資料及び報道によれば、患者はイスラマバード、ラワルピンディ、アボタバード、クエッタ、カラチなどの大都市の病院に入院しており、患者の多くはこれら大都市から離れた地方都市で感染し重症化したため、大都市の病院に搬送されたものと推測されています。

2.クリミア・コンゴ出血熱は、ウイルス性の出血熱で、自然界ではウシ、ヒツジ、ヤギなどで感染サイクルが形成されており、マダニがこれらを刺すことにより伝搬していきます。これらの動物では感染しても症状はでませんが、ウイルスを持ったマダニにヒトが刺された場合、2~9日間の潜伏期間ののち、突然の高熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐がみられ、重症化すると全身の出血(鼻出血、気道出血、口腔出血、消化管出血、皮下出血など)をきたすことがあります。ただし、ウイルスに感染しても発症率は20%程度と推定されており、さらに死亡率は15~40%(より高いとする報道もあります)とされています。
感染経路は以下のとおりです。
(1) ウイルスを持ったマダニに刺されたりこれをつぶしたりする。
(2) 感染した動物の血液や組織と接触して感染する。
(3) 感染者の血液や血液を混ずる体液や排泄物に接触する。
つまり、流行地の羊飼い、野営者、農業従事者、獣医師等、家畜およびダニと接触する人や、医療従事者が感染リスクが高いと考えられます。
パキスタンでは、過去にも感染患者を担当した医師が感染し死亡した事例があります。生きた家畜と接触したり、牧場に行ったり、病院で感染患者に濃厚に接触しない限り、感染のリスクはほとんどないと言えます(空気感染は否定されています)。

3.クリミア・コンゴ出血熱は、南アジア、中央アジア、中近東、アフリカに広く分布しており、パキスタンでは1976年以来、約300例が報告されています。パキスタン国内では、毎年、FATA、ハイバル・パクトゥンハー州、シンド州などで報告が確認されており、2000年以降は報告数が急増しているとされています。

4.ついては、都市部での日常生活では感染リスクはほとんどないと考えられますが、11月17日、18日に予定されているEid-ul Azha期間中には、多くの家畜が都市部に持ち込まれ屠殺が行われるため、クリミア・コンゴ出血熱への感染リスクが高まると懸念されるので、以下の諸点につき十分注意してください。
 なお、万が一、上記2.のような症状があり、感染が疑われるような場合には、お早めに信頼のおける医療機関、もしくは当館医務官等にご相談いただくようお願いいたします。

(1)家畜や牧畜業者との接触、農場や牧場でのキャンプやピクニックを避ける。
(2)鼻血が止まらないなど、出血傾向と考えられる症状のある人には近づかない。
(3)医療機関へ行く場合には、なるべく他の患者や入院病棟、血液の付着している可能性の
ある廃棄物などには近づかない。
(4)野生動物にはむやみに手を出さない。

 特に、Eid-ul Azha期間中には、

(1) 家畜屠殺には立ち会わない。立ち会わざるを得ない場合には、虫よけ対策をとり家畜に
付着しているダニには決して触れたりつぶしたりしない。
(2) 自分では家畜の屠殺・解体はしない。やむなく自身で屠殺・解体する場合にはゴム手袋にゴーグルをし、家畜の血液や体液が体に付着しないようにする。屠殺・解体を見学する場合にも家畜の血液や体液が付着しないように充分な距離をとる。屠殺の終わった後も、屠殺の行われた場所には近づかない。
(3) 屠殺された新鮮な家畜の肉には感染性があるため、触れないようにする。やむなくこれを調理する場合には、ゴム手袋をするなど生肉に直接触れないように心がけ、調理ではよく火を通す。(ウイルスは屠殺後数時間で失活し感染性を失いますので、衛生的な精肉店の店頭の肉は安全と考えられます。)(4) 生乳は飲まない。           

不振な航空貨物の発見に伴う各国空港検査体制の強化等について

1.5日、日本外務省より、各国空港における検査体制の強化に関する広域情報が発出されましたので、ご参考までに以下のとおりお知らせします。
  なお、当地報道によれば、パキスタン政府は本件事態を受け、国内の国際空港において、テロに対する警戒態勢を敷いた旨報じられています。

2.また、4日夕刻、イスラマバード国際空港近くにて、バイクに乗った男性2人による現金等所持品を狙った強盗事件が発生しています。現在、同空港はサウジアラビア・メッカへ向かう巡  礼者などの利用が多く、空港までの道路や空港施設内は大変混雑しており、こうした犯罪が再発する可能性も否定できません。

3.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、送迎を含め、空港の利用を予定されている方は、空港施設前のロビーなど人の多く集まる場所では携行荷物等十分注意されるとともに、人混みではテロや襲撃事件等が発生する可能性もありますので、その場に長時間留まらず、速やかに行動されるようご注意ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                             ~渡航情報(広域情報)~

(件名)不審な航空貨物の発見に伴う各国空港検査体制の強化について

(内容)
1 報道等によると、10月28日夜、英国のイースト・ミッドランド空港において、また、翌29日アラブ首長国連邦のドバイ空港において、イエメン発米国宛の航空貨物の中から爆発物が発見されました。本件については現在捜査中で、犯人等の詳細は不明ですが、国際テロ組織アル・カーイダが過去に用いた手口と酷似しているものとみられています。また、ドバイ警察と英当局は10月30日、貨物に強力な爆薬が含まれており、爆発していた可能性があるとしています。

2 これらの事件を受けて、現時点までに各国は、イエメンからの航空貨物の停止、空港における保安検査の強化等の緊急措置を講じています。例えば、貨物の最終目的地であった米国では、国土安全保障省が10月29日付のプレスリリースで、航空貨物検査や空港保安検査等の保安体制を強化するとして、空港利用者に対して身体検査、爆発物探知犬チームによる検査、最新鋭の全身スキャナーによる検査等、複数の保安検査が行われる可能性があると発表しています。また、同時に国民に対して、不審物を発見した場合には当局に知らせるよう注意喚起しています。

3 そのため、各国の空港における保安検査は、従来よりも時間をかけて行われる可能性があり、海外の空港を利用される際は、常に運航状況を把握した上で時間的余裕をもって空港に向かうことをお勧めします。各国空港の保安検査等については、空港当局や航空会社、旅行代理店に照会するなど、最新情報を入手するよう努めてください。

4 なお、外務省では、「海外安全ホームページ」(http://www.anzen.mofa.go.jp/) において「広域情報」、「スポット情報」、「危険情報」、「テロ概要」等を掲載し、世界各国・地域毎のテロ情勢や注意事項をお知らせしていますので、海外に渡航される方は、渡航前にこれらの情報を参照してください。

(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3496
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311
○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
○外務省 海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
       http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版