2009年12月8日火曜日

パキスタン主要都市における爆弾テロ事件の発生に伴う注意喚起

1.12月7日(月)午後9時頃、パンジャブ州ラホール市ムーン・マーケットにおいて爆弾テロ事件が発生しました。事件発生の背景等詳細は不明ですが、報道によれば、予め仕掛けられた一発の爆弾を遠隔操作にて爆発させた後、自爆テロ犯が二発目の爆破を実行したとの情報もあり、現在までのところ49人が死亡、150人以上が負傷したとのことです。

  また、同日、北西辺境州ペシャワル市上級郡裁判所(Session Court)前で自爆テロ事件が発生し、少なくとも10人が死亡、45人が負傷したほか、バロチスタン州クエッタの公務員住宅において、オートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、少なくとも9人が負傷しています。

  さらに、12月8日(火)正午12時頃、パンジャブ州ムルタン市内カシム・ベラ地区において、大規模な爆弾テロ事件があり、現在までのところ12人が死亡、32人が負傷しています。

2.現在、パキスタンでは全土において、過激派武装勢力等によるテロ事件が多発しています。10月17日から、政府軍による連邦直轄部族地域(FATA)南ワジリスタン管区におけるイスラム過激派に対する掃討作戦が本格的に開始されており、今後も政府軍による軍事作戦の継続や拡大に伴い、パキスタン全土の大部分を含む様々な地域において報復テロの発生等情勢が更に悪化する可能性が高いと考えられます。

3.最近の爆弾テロ事件の特徴として、市場等、市民が生活の場として通常利用する施設が巻き込まれる、いわゆる「ソフトターゲット化」が生じています。この理由としては、従来、主な標的となっていた軍・警察・政府関連施設(法執行機関)の警備が強化され、中核施設に至る前に犯人が爆破を決行せざるを得ない状況、あるいは、警備を拡散させるため、その周辺の容易に攻撃しやすい場所を狙うといった状況が考えられます。結果的に、被害を受ける標的が拡大してきたとみられます。

4.ついては、在留邦人の皆様におかれては、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」にて注意喚起している内容を再度確認いただき、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。また、最近のテロ事件の傾向を受け、特にマーケットやバス停など人が集まる場所での買い物や必要な用事は、夜間の利用を避け、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れるようご留意下さい。

さらに、マーケット内の屋台・商店等が多数密集する場所は、不測の事態が発生した場合に素早く逃げることが難しく、また、火災やパニックになった人々による二次災害に巻き込まれる可能性も高いことから、極力近づかないことをお勧めします。

また、現在の治安情勢を踏まえ、警察当局は厳戒態勢を敷いて対応しており、検問所において車両のセキュリティーチェックを厳重に実施しています。右により検問所に待機車両が渋滞となるケースが散見されますが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける等心掛けることが重要です。

以 上