2010年3月30日火曜日

テロ及び誘拐に関する注意喚起

1.3月23日、当地報道等によれば、昨年10月5日にイスラマバード市内で発生した国連世界食糧計画事務所に対する自爆テロ事件及び同12月2日に発生した同市内海軍司令部施設に対する自爆テロ事件に関与したテロリスト2名が逮捕された旨が報じられています。

2.本件については、当地警察関係者によれば、同2名は逮捕の際、FC(辺境警察)の制服、自爆ジャケット、銃器等を所持していた模様であり、さらにうち1名は元FCであったことが判明しています。また、同2名は近々にイスラマバード市内に所在する高級ホテル及び外交団地区内に所在する欧米人が主に利用するレストラン等を標的としたテロの実行や外国人及び外交官を誘拐し、多額な身代金を要求することを企図していたと見られています。

なお、本件事件の発生を受け、現在、当地警察はFCの外交団地区からの撤退を検討しています。

3.最近の爆弾テロ事件の特徴として、市場等、市民が生活の場として通常利用する施設が標的となる、いわゆる「ソフト・ターゲット化」が生じています。この理由としては、従来、主な標的となっていた軍・警察・政府関連施設(法執行機関)の警備が強化され、中核施設に至る前に犯人が爆破を決行せざるを得ない状況、あるいは、警備を拡散させるため、その周辺の容易に攻撃しやすい場所をねらうといった状況、さらには、一般市民を恐怖と混乱に陥れることをねらった状況が考えられます。その結果、被害を受ける標的が拡大してきたとみられます。

4.ついては、在留邦人の皆様におかれては、累次お知らせにてお伝えしておりますが、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。なお、「大使館からのお知らせ」のバックナンバーについては、当館HPwww.pk.emb-japan.go.jp)から参照いただけますので、注意喚起している内容を再度ご確認ください。

(1)テロの標的となりやすい場所(軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。

(2)集会やデモが行われている場所には、決して近づかない。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。

(4)検問所付近に待機車両が渋滞となるケースが散見されるが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける。なお、イスラマバード外交団地区についても、同様の事態が発生しているので、入域する時期・時間等に十分注意する。

(5)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所乃至は施設があるか、詳細を承知しておくことも重要。

(6)空港を利用する場合、しばしばテロリストの襲撃の標的となることを念頭におき、不必要に人の多く集まる場所に近寄らない。その他、ホテルのフロントなど、不特定多数の人の立ち入りが容易なところでの滞在時間は最小限とするよう心掛ける。

(7)パキスタンの各地において誘拐事件が発生している。誘拐予防のためには、自らの身は自らが守る心構えを持ち、誘拐の危険度に応じた対策(通勤時の安全対策、住居の警備強化、日常行動上の注意等の総合的な対策)をとることが重要。特に海外で安全に暮らすためには、(イ)目立たない、(ロ)用心を怠らない、(ハ)行動を予知されない、という3原則を守る。日頃から行動パターン(通勤時間、使用する道や施設)を常に変え、ねらわれにくくすることが大切。

(8)最近のテロ事件の傾向として、午前中から日中にかけての時間帯に事件が発生していることも多く見られることから、買い物等、外出時の行動は極力短時間とする等、十分な安全対策を講ずる。

(9)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。

                                  以上