2011年4月4日月曜日

テロに関する注意喚起

1.3日、パンジャブ州デラ・ガジ・ハーン郡にあるサキ・サワール聖者廟付近において、2度にわたり自爆テロが発生し、42人が死亡、100人以上が負傷するテロ事件が発生しました。一部報道によれば、パキスタン・タリバン運動(TTP)からテロ攻撃の犯行声明が出された模様であり、「このテロ攻撃は、パキスタン政府軍による掃討作戦に対する報復攻撃であり、今後も更なる攻撃を続ける」旨報じられています。
 また、犯行主体は不明ですが、4日午前、ハイバル・パフトゥンハー州ディール郡ローワーディール地区にあるバス停留所において、遠隔操作式の爆弾が爆発し、5人が死亡、少なくとも8人が負傷するテロ事件も発生しています。

2.現在、連邦直轄部族地域(FATA)モーマンド管区等において、パキスタン政府軍による過激派武装勢力に対する軍事掃討作戦が行われており、右攻撃に対する報復と思われるテロ事件がペシャワルをはじめ、マルダン、チャルサダ、スワビ等においても発生しています。

3.こうした現状を受け、警察当局は厳しいセキュリティー・チェックを実施していますが、今後も政府、治安機関、警察関連施設および聖者廟等の宗教関連施設を狙った同様のテロ事件の発生が懸念されています。

4.現下の治安情勢を受け、隣国との国境付近及びFATAをはじめ、ペシャワル、マルダン、チャルサダ、ディール、スワート、マラカンド等ハイバル・パフトゥンハー州の広範囲の地域に対し、「退避を勧告します。渡航は延期してください。」などの危険情報を発出しています。

5.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、治安情勢の現状を踏まえた慎重な行動を心掛け、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、個々人における安全対策・危機回避に十分注意してください。

(1)テロの標的となりやすい場所(軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、国連関係機関、政府機関、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、聖者廟などの宗教関連施設、学校関連施設)にはできる限り近づかない。また、車両等で移動する際にも、同種の場所を避けるよう心掛ける。
(2)マーケットやバス停など、人が多く集まる場所での用事は、短時間で効率的に行うとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。
(3)検問所付近に待機車両が渋滞となるケースが散見されるが、極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける。
(4)日頃から、自宅、勤務先等の近辺に、テロ事件の標的となり得る可能性の高い場所乃至は施設があるか、詳細を承知しておくことも重要。
(5)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避ける。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。