2011年7月12日火曜日

非合法武装組織によるテロの可能性に関する注意喚起

非合法武装組織によるテロの可能性に関する注意喚起
(内容)
1 報道によれば、非合法武装組織ハルカトゥール・アル・ジハード・イスラム(HuJI)が、当地パキスタン外務省及び同省高官に対し、「HuJIに関する情報交換を中止するよう要求する。仮に要求が受け入れられない場合には、外務省及び同省高官に対する攻撃を実行する」旨警告したと報じています。
  警察当局によれば、本件警告を踏まえ、外務省周辺及び同省高官宅に特殊部隊を配置するなど、厳重な警備態勢を敷いて事態への対応にあたっているとのことです。

2 また、同組織の指導者であり、アル・カーイダとも深い関係を持つとされるモハマド・イリアス・カシミーリーが、6月3日、連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区において、米無人偵察機の攻撃により死亡した経緯もあり、今後、HuJIを含む武装勢力各派の報復テロが敢行される可能性も否定できません。
 さらに、現在、FATAクーラム管区等において、パキスタン政府軍による反政府武装勢力に対する軍事掃討作戦が実施されていますが、ウサマ・ビン・ラーディン(UBL)の殺害後、FATAやハイバル・パフトゥンハー州を中心に、反政府勢力による報復テロが敢行されており、今後の政府軍の動向如何によっては、更なる攻撃が敢行される恐れもあり、治安の悪化が懸念されています。

3 つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、当地パキスタン外務省周辺及びイスラマバード市内において厳重な警備態勢を敷いている施設(含む、検問等)等にはできる限り近づかないよう注意するとともに、国内主要都市におけるテロリストの逮捕、または大量の武器や爆発物が押収されている現状を念頭に、「テロリストは身近なところに潜んでいる。いつでもどこでもテロが敢行される可能性はある」点を改めて認識していただき、以下の点を踏まえ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(政府機関・軍・警察等治安当局施設(車両、検問所等を含む。)、宗教関連施設、米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設)にはできる限り近づかない。外国人の多く集まる商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。金曜日の午後、特に金曜礼拝後はデモや集会が行われる可能性が高いので、宗教関連施設及び同施設周辺には絶対に近づかない。

(3)マーケット、バス停等人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避ける。

(4)各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じる。

(5)車両等にて長距離を移動する場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避ける。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。また、郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。
特に、幹線道路でハイバル・パフトゥンハー州内の作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、同州内の情勢にも注意し、安全対策に配慮する。