2011年5月2日月曜日

パキスタン治安情勢:テロの危険性について

パキスタン治安情勢:テロの危険性について

(内容)
1.報道によれば、国際テロ組織アルカイダ指導者のウサマ・ビン・ラーディンが、ハイバル・パフトゥンハー州アボタバードにおいて、米当局の作戦により殺害された旨報じられています。

2.本件殺害を受け、過激派テロ組織が米国大使館や米国権益に対する報復テロを敢行する可能性も否定できず、治安関係機関は外交団地区等特定の地域において厳戒態勢を敷いて警備にあたっており、テロ事件等の未然防止に努めていますが、国内における治安の不安定化が懸念されています。

3.なお、5月1日付にて、米国政府はパキスタンでの対テロ作戦に起因した反米行動や集会に対する広域情報を発出しており、米国関連施設においては警戒態勢を執っている旨伝えています。
また、イスラマバード市内に所在するインターナショナル・スクールは、市内におけるデモ等の発生を懸念し、安全上の措置として、2日午後より一時休校としました。

4.本件については、日本を狙った特定の脅威が存在するものではありませが、パキスタンに在住されている
邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」で
お伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の
状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が
多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。

(4)パキスタンで各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じてください。

(5)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。

(6)誘拐を防ぐためには、例えば次のような対策をとることが有用です。
(イ)日常の行動パターンを画一化しない。通勤や買い物等に同じ経路や時間帯を使うのではなく、数パターンに使い分ける。
(ロ)行動予定を多くの人に知られないようにする。
(ハ)服装面で目立たないよう注意する。
(ニ)買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動することをお勧めします。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く察知し、速やかにその場から離れることが可能となります。
(ホ)乗車の際には必ずドアを施錠し、窓を開ける場合でもわずかの隙間だけ開けるように心掛けてください。
これにより、例えば、交差点で停車した際、容易にドアを開けられて外へ引きずり出されるのを防ぐことができます。
(ヘ)人目の少ない場所はできるだけ避ける。
(ト)外出中は周囲に不審者、不審車両がいないか確認し、尾行や監視がないか注意する。

(7)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。