2011年5月23日月曜日

報復テロに関する注意喚起

1.20日午前、当地報道によれば、ハイバル・パフトゥンハー州(KP州)ペシャワル市ユニバーシティ・ロードにおいて、米国総領事館の車両2台が襲撃され、1名が死亡、10名が負傷した旨報じられています。
報道によれば、「米総領事館の車両2台を狙った爆弾テロが発生し、米国人が軽傷を負った」旨報じられています。

2.本テロ事件に対し、報道によれば、パキスタン・タリバン運動(TTP)は、「北大西洋条約機構(NATO)の全加盟国の外交官が標的だ。我々は更なる襲撃を続ける。パキスタンが第一の標的で、米国が第二である。」旨の犯行声明を出しています。

3.これに関連した事件では、16日、カラチに所在するサウジアラビア総領事館の車両が武装集団に襲撃され、外交官1名が死亡しているほか、同11日にも、同総領事館敷地内に手榴弾が投げ込まれる事件が発生しており、TTPから犯行声明が出ています。

4.現在、ウサマ・ビン・ラーディン殺害に対する報復テロ事件またはその余波とも思われるテロ攻撃が国内各地で発生しており、特にKP州ペシャワル近郊において、同種のテロ事件が頻発している状況です。

5.また、KP州以外の地域であっても、同州での動きと連動する形でテロの脅威が及ぶこともあります。特に、幹線道路で同州内の作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、KP州内の情勢にも注意し、安全対策への配慮をお願いします。

6.当地警察によれば、現在までに、パキスタンでの対テロ作戦に起因した反米行動や集会が行われる旨の情報には接していないとのことですが、こうした集会は突発的に実施される可能性もありますので、不特定多数の人が集まる集会等を見かけた場合には、絶対に近づかず、速やかに回避してください。

7.本件については、日本を狙った特定の脅威が存在するものではありませが、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避けるよう心掛けてください。

(4)パキスタンで各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じてください。

(5)車両等にて長距離を移動される場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避けることをお勧めします。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。
 また、郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。

(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。