2011年5月6日金曜日

反米抗議集会等に関する注意喚起

1.報道によれば、国際テロ組織アル・カイーダ指導者ウサマ・ビン・ラーディンが米当局の作戦により殺害されたことを受け、6日午後(金曜礼拝後)、宗教政党であるジャマーアテ・イスラミ(JI)による反米抗議集会が計画されている旨報じられています。

2.5月3日付「大使館からのお知らせ」にて、イスラマバード市内に所在するアッパラ・マーケットおよびメロディ・マーケットにおける脅威情報につきお知らせしていますが、6日(金)から週末にかけては、こうした抗議活動や参集した多数の群衆を狙ったテロ攻撃が発生する可能性は否定できませんので、同期間における大規模なマーケットの利用は厳に避け、不要不急の外出は極力控えるよう心掛けてください。なお、仮に外出する場合でも、不特定多数の人が集まっている場所や外国人が多く利用するマーケットの利用は避けるよう細心の注意を払うとともに、行き先など関係者以外には不必要に知らせないようご注意ください。

3.なお、当地米国大使館のホームページによれば、5月4日、ペシャワル及びラホールに所在する米国総領事館も再開させた旨掲載しています。

4.テロの被害に遭わないため、また、被害を最小限に抑えるためにも、日頃から周囲を注意深く確認し、少しでも不審人物の以下のような動きや特徴を察知することが重要です。
(1)テロの実行犯は総重量5キロ以上の自爆ジャケットを着用していることが多いことから、ぎこちない動きをする。最近の傾向としては、10代の少年が多い。
(2)自爆を目前にした緊張から、振る舞いが神経質で特異な印象を受けることが多い。
(3)自爆時に爆発物を作動させる必要があるため、腰部をまさぐる仕草をとることが多い。
(4)爆発時には右手を高く掲げ、叫ぶ行為を行うこともある。

5.当然のことながら、テロ事件に巻き込まれないためには、日頃から細心の注意を払い、高い危機意識を持って行動することが重要です。また、異常な状態を察知するためには、平時においても周囲の状況を良く観察しておき、「正常な状態」を知ることが重要です。最近は自爆テロのほか、計画的な設置型の爆破テロも増えていますので、日頃見かけない不審な車両やバイクが近くに駐車してある場合など、普段と異なる状態を確認した際は速やかにその場から回避してください。
  また、爆破テロが至近で発生した場合には、以下のことを心掛けておくことが求められます。
(1)自宅、職場や学校にて爆発音が聞こえた場合、爆発音も比較的遠く、ある程度安全と判断される場合には、最低でも1時間程度はその場にとどまってください。警察や軍が事件現場を封鎖する前に移動しては危険です。
(2)建物内にいた時に近くで爆発音や銃声が聞こえた場合、すぐに低い姿勢をとり、ガラス窓及びガラス扉の近辺を避けるとともに、周囲の状況を慎重に確認し、低い姿勢で移動されるよう心掛けてください。慌てて外に飛び出すのは危険です。
(3)外出中に近くで爆発音が聞こえた場合、すぐにできるだけ低い姿勢をとってください。大きなガラスや倒れやすいブロック塀の近くは危険ですので、あまり近づかないようにしてください。
(4)ガラスは強い衝撃を受けると割れて飛散しますが、この飛散したガラス片によって怪我をする例が多く見られます。ガラス片の飛散を防ぐためには、ガラスに飛散防止フィルムを張ることが有効です。飛散防止フィルムの貼付作業は、当地業者に依頼することが可能です。
(5)飛散防止フィルムの貼付が難しい場合には、厚手のカーテンを閉めておくことで、ある程度、ガラスの飛散は防げると言われていますので、在宅時は厚手のカーテンを閉めておくことをお勧めします。
(6)住居から避難する際、飛散したガラス片を踏んで怪我をすることもありますので、日頃から室内ではスリッパを使用したり、各部屋にスリッパを用意しておくことも一案です。

6.つきましては、在留邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、累次「大使館からのお知らせ」でお伝えしている以下の諸点について、今一度十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人において安全対策・危険回避に十分心掛けてください。
(1)標的となり得る施設(米国関連施設、軍・政府関連施設(特に、治安機関)、外国人が多く利用するマーケット、ホテル、レストラン、カフェ)には、当面の間、極力近づかない。
(2)外国人の多く集まる場所や外国人が多く利用する商業施設等の利用は避ける。特に夜間の人が多く集まる時間帯は厳に避けるよう心掛けてください。
(3)デモや集会を見かけたら、絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。
(4)緊急事態が発生した場合、自らの安否や所在につき家族または勤務先に至急一報することが重要。携帯電話がある場合は、日頃から携帯電話を常時携行し、家族、勤務先または大使館等の番号を予め携帯電話に番号登録しておく。
(5)当地は治安情勢が急激に悪化する可能性が高く、余儀なく自宅ないしは勤務先等に留まらざるを得ない状況も想定されるので、少なくとも3日から1週間程度の籠城が可能となるよう日頃から食料品、飲料水及び発電機用燃料等を保管しておく。
(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。